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『それでも町は廻っている 公式ガイドブック 廻覧板』 石黒正数 【日刊マンガガイド】

2017/03/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『それでも町は廻っている 公式ガイドブック 廻覧板』


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『それでも町は廻っている 公式ガイドブック 廻覧板』
石黒正数 少年画報社 ¥1,800+税
(2017年2月14日発売)


アニメ化もされた人気作品『それでも町は廻っている』。その完結を記念して公式ガイドブックが刊行された。

全16巻の表紙ギャラリー(下描き段階の図版を含む制作秘話付き)、連載開始から約10年のあいだ各メディアに掲載されたり特典のために描かれたりしたカラーイラスト集のほか、こまごまとした設定集、キャラクター図鑑、単行本未収録エピソード4本にくわえ、三段組で34ページにもわたる(!)単行本掲載ぶんの全エピソードへの著者コメント、そして時系列がシャッフルされていた各エピソードを歩鳥の高校生活1年ごと1ページの年表に並べ直したものまで、内容はきわめて充実している。
この年表は、本作制作の参考にしたものということだが作中の番組「鬼面ライガーしぐれ」「鬼面ライガーコハダ」の放映開始まで載っているというマニアックなもの。

2006年の単行本第1巻の表紙と、掲載誌「月刊ヤングキングアワーズ」の連載100回記念号のために描かれた2012年の表紙絵は、あえて同じ構図になっているとのことで、見比べてみると細かい差異がわかってすごく感慨深い。

キャラクター図鑑も非常に濃厚。歩鳥の弟タケルのクラスメイト「エビちゃん」が載ってるのはもちろんのこと、エビちゃんと同じ子ども服ブランドのモデルをしてる「勅使河原ケントくん」まで載っているなど、チョイ役にまでしっかりコメントがついてるのが楽しい。

また、単行本最終巻収録の「最終話」の「オチ」についての著者のコメントは特に見逃せない。
最終巻のネタバレになってしまうのでここでは詳しく書けないが、丸子町の楽しい面々による日常コメディという『それ町』に、SFありミステリありのメタフィクション的な「もうひとつの側面」があったことをあらためて認識させられるに違いない。

時系列に沿って読みかえしてから、歩鳥の「選択」を想像してみるのも一興だろう。いやこれホントすごい。



<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books

単行本情報

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