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『神軍のカデット』 第2巻 川端新 【日刊マンガガイド】

2017/03/01


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『神軍のカデット』


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『神軍のカデット』 第2巻
川端新 小学館 ¥552+税
(2017年2月10日発売)


青年将校ら約1500名がクーデターを起こした昭和11年2月26日。首謀者である橘英治は、黒龍の「眷属」が憑いている男だった……。
この「2・26事件」からさかのぼること11年前。橘英治が陸軍幼年学校の3年生の時、新入生の有賀仁は彼に初めて出会ったのだ。11年後、彼に刀を向ける運命になろうとは知るべくもなく。

有賀は、将校を目指すまっすぐな軍国少年。軍人だった父亡き後、自分を女手ひとつで育ててくれた母を守りたい、我が国を守りたいと鼻息荒い13歳である。
そんな彼にとって、戦を否定するような物いいをする橘は許しがたい存在だ。彼は日露戦争で名をあげた将校の息子で、剣術にも秀でており、みなが「殿」と呼び一目置く存在ではあるのだが。

そんななか、有賀は自分が大狼の眷属に護られていることを知る。そしてまた、橘も眷属憑きであり、突然に現れ暴走する黒龍をコントロールできずに悩んでいることも。
さらに、幼年学校の生徒のなかにはちらほらと眷属憑きがいるもよう。陸軍上層部は、この眷属憑きの力を軍の戦力として最大限に活用することをもくろんでいる。

日露戦争での勝利以降、軍国主義のムードが高まる時代のムードと眷属にまつわる謎……スケールが大きくビジュアル映えもする題材を軸に進むダーク・ファンタジー。
それでいて、寮生活を送るカデット(将校生徒)たちの青春譚であるところも本作の魅力である。
小柄で丸坊主、見た目はまだ子どもだがひたすら気張っている有賀の健気でかわいらしいこと。強くたくましい軍人になる将来だけを見すえる彼が、己の常識外の人物、橘に出会って混乱するさまは思春期そのもの。
おとなびた雰囲気をたたえた美少年・橘が内に秘めた悩みを露呈する場面もたまらない。

狐の眷属が憑いているのに、ずっとそれと気づかずにいた橘の親友・竹もナイスキャラ。第2巻ではさらに、意のままに虎の眷属を操る先輩も登場する。
しかし、この狼や虎の眷属たちの凶暴ながらモフッとした質感も見どころだ。
急増中のケモナーさんたちにもオススメ!



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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