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【インタビュー】大今良時『不滅のあなたへ』単行本表紙に隠された秘密、そして明かされる著者の性癖、さらに気になる今後の展開も!?

2018/03/03


作中に登場する文字の秘密を大解明!

――作中に出てくる文字が、50音と対応していますね。第2巻でピオランがフシに文字を教えるシーンなどから類推すると、母音と子音の組みあわせで構成されている文字だな、と。

作中に登場する文字だけでなく、表紙など、いたるところに文字を解読するヒントが隠れているかも!?

大今 そうです。ワ行だけ不規則な感じですかね?

――それで思ったんですけど、ひょっとして手話と関連があったりします?

大今 ああ~。

――『聲の形』の大今先生が描かれているわけだから、もしかしたらそうなのかな、と。

大今 じつはですね……。

――はい。

大今 ……関係ないんです。

――ないのかぁ(笑)。

大今 これは「音をかたちにしたらこんな感じかな?」と考えてつくりました。

――こういうのを考えるのは、性分というか、お好きなんですね。

大今 ああ、たぶん好きです(笑)。もっと考えたいです。

――50音表をつくって最初から読み直すと、いろいろと発見があります。

大今 デザイナーさんにフォントをつくってもらったり、コミックスで各話のあいだに入る追加ページの文字は、コミックス担当の字が綺麗な方に書いてもらったりしています。

――コミックスのカバーをめくると、ここに「わ・す・れ・な・い・よ・う・に(忘れないように)」って書かれていますよね?

第1巻のカバー裏。「わすれないように」の意味の文字、少年とジョアンの似顔絵。各巻でどんなふうに描かれているかは、ぜひ自身の目でたしかめて!

大今 そうです。

――これは第1話の少年の家の壁に似ていますけど、巻数によって人数が増えたり減ったりするので、フシの記憶ということでいいんですよね?

大今 そうですよ、これは「フシが忘れたくない人たち」。


マーチのセリフから考えさせられる「大人になること」の意味

――いろいろなキャラクターが出てきていますが、そのなかで先生のお気に入りのキャラっています?

大今 いやぁ、これといってとくに……。でも、マーチを描くのはすごく楽しいですね。ちっちゃいから画面に収まってくれるんですよ。

――『このマンガがすごい!2018』本誌でも、「お気に入りのシーン」として、マーチが牢屋の格子や小窓に挟まっているコマを選んでましたね。

先生のお気に入りシーンのひとつ。理由は「小さい女の子が挟まってるのが好きです。それ以上の理由はないです。」とのこと!

大今 私の性癖なのかなぁ……。小さい子が挟まってたり、閉じこめられていたりするのが、すごく好きなんです。あの、中国でよく子どもが狭い場所にはさまるニュースがあるじゃないですか。

――ありますね! 中国の子どもはよく坑道とかに挟まってますね!

大今 ああいうニュースがすごい気になっちゃうんです。

――丸いものがお好きですか?

大今 それはありますね。『聲の形』だと、永束はすごく描きやすかった。

――マーチ、お好きなんですね。第2巻でマーチが「大人になるってしっていくってことでしょ?」というじゃないですか。

大今 ええ。

初めて村を出て世界を知り、いろんなことを知り体得したいと願うマーチ。大人になることを夢見る彼女の印象的なセリフだ。

――あのセリフに「うーん、そうなのかぁ……」って感じいっちゃって。

大今 そうなんですか?(笑)

――その「知ったこと」が敵に奪われてしまったり、あるいは忘れてしまったりする話も描かれるわけじゃないですか。だから「知る=成長」かというと、一概にそうとはいえない描かれ方がされている。でも少年マンガって、基本的に「成長」がテーマになりますよね?

大今 そうですね。ただ奪われることだって忘れることだって、そうして初めて知ることもあるんだと思うんです。ですからそこに関しては、すごく慎重にやっていきたいですね。わかりやすく表現したい場合には「成長」という言葉を使いますけど、極力「変化」というようにしています。特に観察者は。「進化」もなかなか使えないですね。

――フシの行動原理って、なんでしょう?

大今 そこも成長過程とともに一個ずつ積み重ねていくつもりです。第1巻の時点では、自分で行動するというよりは、餌付けされて飼い主のところに戻っている……みたいな感じでしたからね。

――動かすのたいへんでした?

大今 そう、最初はすごくたいへんでした。少年マンガ的にいえば「マーチを助けにいった」で済むところを、まず餌付けされて、においを追っていってマーチのところに行きついて、結果的に「マーチを助けた」という見え方にならないといけない。すごく難しかったです。

マーチと出会った頃、フシはちゃんとした知能も感情も持ちあわせていなかった。初期の彼の行動原理はとてもシンプルなものだ。

――今は?

大今 もう自我がしっかりあるので、もう普通の主人公と変わらないようになってきていますね。なので今後は、フシがあれやりたい、これやりたい、というのを基準に行動していくと思います。

――フシは不死身なので、常に「残される側」の立場ですが。

大今 はい。だからフシは「いま生きている人とどう向きあっていくか」「どう助けられるか」というところに興味がいく……んじゃないかなぁ、と思います。


キーパーソンは13人! ファン注目の次なる展開とは!?

――気になるのは今後の展開ですが……。

大今 全然、決めてないんですよ。フシに関わる人物は、13人くらいは出したいなぁ、とは思っているんですけどね。

――どうして13人なんですか?

大今 もとの投稿作が『13人の灰剣』というタイトルで、それは13人の灰でできた剣……ってニュアンスでしたから。

――その13人にはオニグマも含まれます?

大今 熊とかはカウントしてないです。一度に複数人を出す可能性もある、とは思いますけどね。

――では今後の物語は、大今先生の状況に応じて紡ぎだされていく……、と。

大今 おお。いいですね、それ。

――見どころとしては?

大今 いやぁ、そのぉ、うーん、読んでくれるだけでうれしいです……。

――いいコメントですね。

大今 あ、モグラとカニは好きなので、よかったらそこに注目してください(笑)。

――今後にも期待してます(笑)。ありがとうございました。

取材・構成:加山竜司

<インタビュー第1弾も要チェック!>
【インタビュー】大今良時『不滅のあなたへ』「どうすれば死から遠ざかることができるか」―― 著者が自身に課した課題とは!?

単行本情報

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