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【番外編】『日本の給料&職業図鑑』給料BANKインタビュー Amazon即完売! 品切れ書店続出! ファンタジー×職業が日本を救う?

2016/02/16


発売1カ月で重版3刷、5万部を突破したという、今話題の単行本『日本の給料&職業図鑑』。Amazonサブカルチャーランキング1位(総合ランキング7位)、楽天ブックス総合1位に輝いたその人気の秘密と裏話を著者であり、ポータルサイト「給料BANK」の編集長である山田コンペー氏に聞いた。

『日本の給料&職業図鑑』には、最新の職業「youtuber」なども掲載。

『日本の給料&職業図鑑』には、最新の職業「youtuber」なども掲載。

給料BANK

2014年6月にオープンした情報ポータルサイト。さまざまな職業の給料や仕事内容、就労方法など、職業にまつわる情報をRPG風イラストとともに紹介している。http://kyuryobank.com/

山田コンペー

「給料BANK」編集長。1980年、北海道札幌市生まれ。北海学園大学法学部卒。
大学卒業後、AIR-G’FM北海道のラジオレポーター・舞台俳優・ウェブデザイナー・ウェブディレクター・企画編集・ウェブコンサルタントとさまざまな職を経験。
所属会社の倒産を機に、ポータルサイトの企画制作運営を一人でする「ポータルサイター」として独立。「給料BANK」のほかに7つのポータルサイトを運営中。
ブログ:ギャラクティカサイバーディメンションズアタック(http://kompei.com/
Twitter:@yamakompei

サラリーマンはかっこよかった!

――「給料BANK」を始めたきっかけはなんですか?

山田 そうですね……。僕は子どもの頃にサラリーマンのことがどうしてもかっこよく思えなかったんです。でも大人になって、自分が実際にサラリーマンになってみると、本当はかっこいい職業なんだと気づいたんです。上司がデキる人で、指示の仕方がスマートだったり、たたずまいが……単純にスーツの着こなしもかっこよくて、サラリーマンかっこいいな! と思ったんです。それまでは通勤で、汗だくで、ボロボロで、というイメージしかなかったので(笑)。でも、今の子どもたちも、当時の自分と同じようにサラリーマンのことをかっこよくないと思っているんじゃないかと思って。それを払拭するために給料と仕事内容、なり方をやさしく伝えたいなと思ったのがきっかけですね。

――子どもの頃はどのような職業に憧れていましたか?

山田 役者ですね。あとは映画監督。大学4年からお芝居を始めて、大学の先輩が大泉洋さんだったんです。そこから東京に来たんですけど、夢破れてしまいました(苦笑)。6~7年は役者をやっていましたね。

――そういえば、「給料BANK」にはサラリーマンがいませんよね?

山田 はい。サラリーマンはジャンル分けをするのが難しいので鋭意制作中です。業種で切るか、職種できるか悩んでいますが……準備中です(笑)。

――「給料BANK」のなかでアクセスの多い職業はどれですか?

山田 郵便局員が人気ですね。郵便局員はキャッチコピー(「運命という名の手紙を届けるとき、二度ベルを鳴らすんです」)がウケているようです。ゴミ清掃員、浄化槽清掃員、消防士も人気があります。イラストの評判がよいのは士業系と医療系ですね。個人的に気に入っているキャッチコピーはWEBディレクターの「俺が前線に出るときは最悪のときだけだ」。WEBディレクターは自分が経験したことなので。最悪のときは自分が出ていかなければならなかったという(笑)。

一番人気の郵便局員。可変式バイクが印象的。

一番人気の郵便局員。可変式バイクが印象的。

かっこいい表現を追及した結果、RPG風のイラストが誕生!

――どのようにして「給料BANK」の内容が決まったのですか?

山田 職業をかっこよく紹介しようという目的があって、それをどうしたらたくさんの人に見てもらえるかを考えました。人は職業について何を検索するかというとやっぱり給料かなと思いました。あの職業の人はどれぐらいお金を稼いでいるのだろうという疑問はみんなもっていますよね。そこを軸にして構成しようと考えました。

――盛り上がってきたぞという手ごたえはいつ頃からありましたか?

山田 運営開始から半年ぐらいですかね。最初はイラストを掲載していなくて、少し経ってから、もっと職業をかっこよく見せたいと思ってイラストをつけるようにしたんです。弁護士などの士業を侍のイメージにしたイラストが10人の侍がそろったときには「キタ!!!!」と思いました。このイラストは実際に働いている士業の人たちが気にいるはず!と。そこで10キャラだけだと少ないので、ほかにネタになりそうな職業を考えました。それが高速道路料金所スタッフです。

士業の一人、税理士。戦国・和風なデザインが光る。

士業の一人、税理士。戦国・和風なデザインが光る。

――高速道路料金所スタッフは序盤からいたんですね。

山田 はい(笑)。ちょうど高速道路で走っていて、ETCを通過したときに。人間だったらどうなるんだろうと想像したら、『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド「スタープラチナ」が無数のパンチを繰りだしているような豪快なビジュアルが浮かんだので、あのようなイラストになりました(笑)。かっこいいイラストとネタのイラストの両方がうまく混ざればインターネットで話題になるかもしれないとは思っていましたね。イラストのテイストについては昔からゲームが好きだというのと、ゲームの世界観は子どもたちにも受け入れられやすいと思ったので、RPG風のものにしようと思いました。

猛烈な勢いで作業をこなす高速料金所スタッフ。まさにファンタジーだ。

猛烈な勢いで作業をこなす高速料金所スタッフ。まさにファンタジーだ。

――最近どんなゲームをしましたか?

山田 最近は忙しくてできていないですが、どういうゲームが流行っているかはチェックしています。影響を受けたゲームは、『タクティクスオウガ』とか『ファイヤーエムブレム』『三國志』『信長の野望』とかですかね。『ファイナルファンタジー』も。レベルをあげるとクラスチェンジするというのが大好きでした。「給料BANK」でいうと、料理人が、見習いからシェフになるみたいな。

――どのイラストも個性的ですが、特に好きなイラストはありますか?

山田 全部好きなんですけど。しいて挙げるならやっぱり「高速道路料金所スタッフ」ですかね。あとは、IT系の仕事をしているので、「WEB十字軍」には思い入れがあります。「ポータルサイター」は僕をイメージしてもらっているので(笑)。まったく似ていないというネタにしていますが(笑)。

改めて自著を手に取り、イラストを見返す山田氏。

改めて自著を手に取り、イラストを見返す山田氏。

――なるほど(笑)。WEB十字軍はなぜ中世ヨーロッパ風のデザインなのですか?

山田 最初は「システムエンジニア(SE)」を描いてもらったのですが、SEって「デスマーチ」と言われるぐらいブラックで、そこから黒騎士というイメージが浮かびました。「デスマーチ」は徹夜しすぎて家に帰れなくて死にかけている状態をいうのですが、そういう方たちの、死にかけているけど不死身な強い感じを表現したかったんです。そこからWEB系の職業を甲冑とか中世のイメージでまとめたらいいかなと思いました。

中世の騎士を感じさせるWEB十字軍。揃った姿は圧巻だ。

中世の騎士を感じさせるWEB十字軍。揃った姿は圧巻だ。

――存在感がありますよね。これだけでもゲームが作れそうな雰囲気があります。

山田 そうですね。役割的にも王様がいたり、司令官がいて、防御専門の部隊がいたり、特攻隊がいたりと。

――各職業にオリジナルストーリーがあるわけですね。

山田 そうですね。ある程度モチーフや背景を考えてイラストを依頼するので。これを考えるのが楽しいんです(笑)。

――各職業のキャッチコピーも話題になっていますが、どういうときに思いつきますか?

山田 たとえば、劇団四季団員(「獣を憑依させてこそ四季の役者なのよ」)でいうと、劇団四季の団員さんは動物になったりしますよね。動物になるってなんだろうと思ったときに、スキル「憑依」をみなさん持っていると思ったんです。そういう設定から考えたり、あとは見た目とかですね。昔の名言や格言などが好きなので、そういった要素も入っていると思います。

お金を稼げていることすべてが職業です!

――各職業の記事はどのようにして作るのですか?

山田 給料については、厚生労働省が出している厚生労働白書を調べたり、あとは求人とネットの口コミ、あとできるものは取材もしています。給料の平均を算出するのがけっこう難しくて、地域差や個人の能力とか。ゆくゆくはもう少しわかりやすいようにしていきたいとは思っています。政令指定都市別になっていたりとか。それぞれが国になっていて、東京国のSEとか愛知国のSEは鎧が違うとかおもしろそうですね!

――記事制作で記憶に残った職業はありますか?

山田 「歌い手」はサンプルが少ないので、メールベースでの取材をしたのですが、基本的に返事が少なかったです。日本人はお金に関することを表現するのは美徳に反するという風潮があるのかもしれませんね。なので、苦労しました。ひとりだけ、教えていただけた方はいたのですが、サンプルとしては少なすぎるので。新しい職業の給料がやはり難しいです。

――新しい職業はどこで見つけるのですか?

山田 どんなことでもお金を稼げていれば職業だと思っているので、ネットニュースでおもしろい人を見つけて、その人がどういうふうに稼いでいるんだろうという興味から調べたりしますね。

――ご自身がモデルのポータルサイターについてお聞かせください。

山田 ポータルサイターと名乗る人は僕と、あと関西の方にもうひとりしかいません(笑)。何人か「給料BANK」の記事を読んで、「自分もポータルサイターかも」と思った方はいたようです。

――プロとして最初に名乗ったということですか?

山田 はい(笑)。名乗ったのは私が初めてですね。実際に同じような仕事をしている人はいると思うのですが、職業名はなかったです。

山田氏が初めて名乗ったとされるポータルサイター。本人に似ている?

山田氏が初めて名乗ったとされるポータルサイター。本人に似ている?

――ポータルサイターとブロガーの違いはなんですか?

山田 ブログは個人が記事を書く「創作活動」で、ポータルサイトは、@cosmeクックパッドなど、あるカテゴリーのサイトの「企画制作運営」を全部ひとりでやります。

――何を身につければポータルサイターになれますか?

山田 第1に企画力です。あとはブログと違って記事を書くだけではないので、HTMLやCSSなど最低限のサイト制作能力、それから運営力。どのぐらいのスパンで情報をアップするとか、自分ひとりで作業しきれなくなってきたときに外注さんへの管理能力も必要になってきます。あとは、孤独との戦いですね(笑)。継続して運営するのも難しいかもしれません。

――あいつぐ重版で盛り上がっていますが、今後どのように展開していきたいですか?

山田 イラストのない職業もまだあるので、どんどん増やして全職業をコンプリートしたいですね。全部で700ぐらいです(笑)。子どもたちやお母さんにも紹介してもらいたいです。アニメ化やマンガ化とかするといいですね(笑)。あとは文房具、カードゲームやスマホゲームなど、子どもの手に届くジャンルとコラボして、子どもたちに将来こんな職業に就きたいと思ってもらえるように働きかけたいです。

――最後に読者の方々、「給料BANK」ファンの方々にメッセージをお願いします。

山田 先日こんなメッセージをいただきました。「子どもと一緒に将来の夢を探しています。家族みんなで楽しんでみています」。 素直にうれしくて全身が震えました。ママさんや転職を考えているサラリーマン、将来に迷っている学生さん、子どもにこんな職業なんだぞと自慢したいお父さん……、いろいろな方に見てもらえればうれしいです。イラストとキャッチコピーで堅い職業などもかっこよく描けていると思っています。「職業の攻略本」として一家に一冊おいていただければ幸いです。

――ありがとうございました。

nihonnokyuuryou_sh

『日本の給料&職業図鑑』
給料BANK 宝島社 ¥980+税
(2016年1月9日発売)


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