話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも！

今回紹介するのは
『このマンガがすごい! comics 魔法少女育成計画F2P』第2巻

『このマンガがすごい! comics 魔法少女育成計画F2P』著者の柚木涼太先生から、
スペシャルな描きおろしイラスト＆コメントをいただきました！

回を増すごとにどんどん、おもしろくなっていて、自分自身、送られてくるプロットを読むのが楽しみなのはもちろんですが、毎回原稿描き終って、「ああー！　早く読んでほしい！　みんなー！　今回もおもしろいよー！」ってなるのが本当にすごいなぁと。
キャラデザも、いつも想像を遥かに超えた素敵なものが届いて毎回ゴロゴロします。普通のファンみたいですね（笑）。でもかわいいから！　しょうがない！！

特にジェリーマリーは、まさかクラゲモチーフの子がくるなんて想像もしてなくて、あまりのかわいさに「これは気合いを入れて描かなくては…！」と思った記憶があります。
浅蜊先生とマルイノ先生のお2人が組みあわさった『魔法少女育成計画』、その世界観と雰囲気を、丸ごとお届けできるように全力で描いてます。
ぜひ読んで楽しんでもらえたらうれしいです！

『このマンガがすごい! comics 魔法少女育成計画F2P』 第2巻
遠藤浅蜊（作） 柚木涼太（画） マルイノ（キャラクター原案） 宝島社 ￥640+税
（2017年3月23日発売）

魔法少女たちの戦いは終わらない！

昨年秋のアニメ化でも話題になった『魔法少女育成計画』。
イラストレーター・マルイノのデザインによるかわいらしい少女たちのビジュアルと、一芸に特化した「魔法少女」たちが次々に殺しあっていく過酷なストーリーのギャップが非常に強烈な作品だが、そのシリーズ原作者である遠藤浅蜊がマンガ用に完全オリジナルストーリーで送り出したスピンオフが、『魔法少女育成計画F2P』だ。

原作では、ゲームの力で魔法少女への変身能力を手に入れた者たちによるバトルロイヤル形式で展開されたが、『F2P』では、魔法少女たちに力を授ける「魔法の国」陣営と、そんな「魔法の国」に反旗を翻したレジスタンスたちによる勢力戦というかたちになっている。

だが、戦いの形式は変わっても話のおもしろさ、そして苛烈さは変わらない。
第1話では、“アルマ”と“すぴのん”という2人の魔法少女がレジスタンスの作り出した結界に侵入するのだが、侵入した数ページ後にはすぴのんが殺されてしまう！　このスピード感と容赦のなさこそが、『魔法少女育成計画』の真骨頂！

第1巻より……悲劇はここから始まった！　結界侵入直後、レジスタンスの魔法少女に、殺されてしまうすぴのん。いろんな意味で容赦がなさすぎる……。

第1巻ではレジスタンス側がF市につくりだした結界のしかけによって、魔法の国陣営は刺客をひとりずつしか送りこめず、その刺客もあっさり返り討ちに……。
そんなまったく打つ手のない状況に、研究部門副部門長であるジューベは戦闘ではなく、交渉という手段を選ぶ。その緊迫の交渉から、第2巻の物語は始まるのだ。

生還者なしの任務を強制的に命じられるジェリーマリー。メルヘンチックな名前とは裏腹にブラックすぎる魔法少女業界……。

ある魔法少女に携帯電話を持たせて、レジスタンス側に送りこみ直接コンタクトを取ろうとするジューベ。「真実を示す魔法のペン」という己の能力と併せて相手の情報を引き出そうとするが、その作戦の成否は……。

ジェリーマリーに渡した携帯を通して直接会話を試みるジューベ。最高に険悪なムードだが、交渉の行方は……。