一方、レジスタンスに捕まったアルマは、「舐めた相手の説明書を出す」という能力を買われ、命を助けられた。そのままレジスタンスとともに暮らすことになったアルマはじょじょに彼女たちの秘密に近づいていく。
「死をキャンセルさせるという異様な能力の真相」、「魔術のヘイズワード家の天才少年・ウェンが反旗を翻した理由」「レジスタンスの魔法少女の異常の精神状態」……。
レジスタンスの秘密を知ることで、同時に彼女たちの事情や想いに触れてしまったアルマ。魔法の国の転覆を企み、相棒を殺したレジスタンスとどう向かいあっていくのか。
さらに、一枚岩とは言えない魔法の国では、それぞれの部門が独自の動きを見せ始める。
人事部門副部門長のクリオは、結界を張られたF市にあるとされる特殊なアイテム『歴史上すべての魔法少女が掲載された名鑑』の調査を開始し、監査部門では自分たちのなかから人員を結界に送りこむことを決定する。
複数の陣営の思惑が入り乱れる戦いの行く末は、はたして……。
派手な戦闘こそないものの、両陣営の情報や計画が明かされ始め、緊張感の高まりを感じるコミックス第2巻。
考えてみれば、『F2P』では「情報」というのが重要なキーワードになっている。
本作の主要人物である、アルマやジューベの「舐めた相手の説明書を出す」能力や「真実を示す特殊なペンを使う」能力は直接戦闘ではなんの役にも立たないが、情報戦というかたちであればこのうえない強力な武器になるし、今回存在が明らかになった『魔法少女の名鑑』も情報の塊だ。
これらの作中を飛び交う様々な情報が戦いにどのような結末をもたらすのか。
美少女たちの殺しあいというインパクトの強い要素ばかりに目が引かれがちだが、『魔法少女育成計画』シリーズは、互いの情報を探りあいつつ、いかに状況を打開していくというミステリー要素を含んだストーリー展開も大きな魅力のひとつ。
そしてこの『F2P』も謎を含んだ先の読めないストーリーが十二分に展開されているのだ。
マンガというメディアに舞台を移しても、おもしろさの核は小説ともアニメともまったく変わらない『魔法少女育成計画F2P』。
各陣営の陰謀と思惑が入り乱れる戦いの先をぜひ見届けてほしい。
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<文・犬紳士>
養蜂家。好きな野鳥はメジロ。
Twitter:@gentledog