滝先生に妻がいたことを知って動揺する麗奈。その心の痛みを我がことのように感じ、支える久美子……友情のすばらしさを感じる最高のシーン。

きれいごとではなく、部員が心をひとつにすることがいかに重要か、またそこに“部活”をやる意味もあるんだなあとあらためて感じさせられる。吹奏楽に限らず、一生懸命やったってそれが将来につながるような人はごくわずか。だけど、どんなに得がたいものを得られるか。北宇治高校吹奏楽部のように、補欠メンバーも同じ気持ちになれる……そういう部をみんなでつくっていくことがきっと部活の一番の目的なのではないかと。

いよいよ全国大会本番前日。合宿所で過ごす夜、秀一が久美子にプレゼントを。2人の仲も最終巻でちょっとだけ進展!?

最終巻にあたりネット連載では未発表、単行本限定の特別企画もより充実している。描きおろし短編は、卒業式を迎えたあすかを送り出す久美子のエピソード。原作者・武田綾乃先生によるあとがき、コミカライズ担当・はみ先生のあとがきマンガも収録。9月末公開の劇場版アニメ『響け！ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜』公開を前に、コミックとアニメを比較するカラーページ企画も。1期から読み返して、公開に備えておこう！

2018年には完全新作の劇場版アニメ公開も予定されている『響け！ユーフォニアム』……北宇治高校吹奏楽部の物語はまだまだ終わらない。

＜文・粟生こずえ＞
雑食系編集者＆ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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