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『ポプテピピック』「このマンガがすごい!2019」受賞予定!? 公式も公認の「クソアニメ」は、アニメ界の常識を打ち破るのか?【あのアニ】

2018/02/17


「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。

アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい!WEB」の人気企画!
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい!」ならではの視点で作品を紹介! そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します!

今回紹介するのは、『ポプテピピック』

いまから1年前を思い返してほしい。
アニメファンはお互いを「フレンズ」と呼びあい、なにかにつけて「すごーい!」と賞賛しあうような、絶対的肯定感のあふれるピースフルなムードにアニメ業界は満ちていた。
だが、それから1年後の現在はどうか。
アニメ業界は、だれもがこぞって両手の中指を立てるような殺伐空間になってしまった。
なんてこった!
その原因は『ポプテピピック』にある。

原作は大川ぶくぶによる同名マンガ。
パロディやシュールなネタが豊富な不条理系の4コママンガで、2014年の連載開始以来、一部の好事家のあいだではカルト的な人気を誇った作品だが、作者いわく「クソ4コマ」。
その「クソ4コマ」がアニメ化するということで、はたしてどんなクソアニメが爆誕するのかと期待していたところ、想像を上回る「クソアニメ化(公式いわく)」っぷりに、世間が大騒ぎしたのである。まさに今期アニメの覇権争いの頂点に立った感じだぞい。

第1話放送開始直後からすでに伝説へ。「直接脳にくる」「夢でも見ているのか」など視聴者の名(迷?)言もとびかった。

なにしろテレビ放映に先がけてシネマート新宿で行われた先行上映と第1話の内容がまったく違ったり、Bパートは「再放送」とテロップを容れてAパートとまったく内容がいっしょ(声優だけ異なる)だったりと、積極的に騒ぎを起こしていくスタイルにすっかりアニメファンは釣られてしまったのである。公式が「クソアニメ」と自称しているせいで、ほめてもけなしても、「クソアニメ」という単語を使った時点で、掌の上で踊らされている感がでてしまうところがニクらしい。

とはいえ、原作にはない要素をふんだんに盛りこみつつも、原作のシュールなエッセンスをあますことなく表現し、これ以上ないほどに「『ポプテピピック』らしさ満点のアニメ」なのは疑いようのないところだ。

話題になる要素は多いが、なかでも注目を集めているのが声優だ。
主人公のポプ子とピピ美には、毎回違った声優が起用され、さらにAパートとBパートでも声優が異なる。
たとえば第1話であれば、Bパートは江原正士(ポプ子)と大塚芳忠(ピピ美)で、Aパートが三ツ矢雄二(ポプ子)と日髙のり子(ピピ美)。第2話は悠木碧(ポプ子)と竹達彩奈(ピピ美)で、Bパートは古川登志夫(ポプ子)と千葉繁(ピピ美)などなど。
ストーリー性のある物語でこれをやられたら苦痛に感じるかもしれないが、シュールな単発ギャグをテンポよくポンポンと見せていく本作のスタイルの場合、AパートとBパートの差異に意味や面白味が生じてくる。

また、若手人気声優からベテランの芸達者まで幅広く起用してくるので、次回はだれが起用されるのかが気になるばかりか、アドリブを含めた声優たちの技術にも関心が持たれている。アニメファンからすれば、三ツ矢雄二と日高のり子の組みあわせからは某有名アニメが想起させられるように、声優同士の組みあわせにも熱い視線が注がれているのだ。

原作にひけをとらずにまったく脈絡のない展開を見せるストーリーも、もちろん要注目である。

……と、本作について解説をしたところで、シュール系のギャグは結局のところ、見てみないことには、肌にあうかあわないかが判別しにくい。TOKYO MXをはじめとする地上波放送とは別に、ニコニコチャンネルやAbema TV、AmazonビデオやNetflixといった各種インターネット放送でも見ることができるので、百聞は一見にしかず、ご覧になっていただきたい。
いま「なぜ『ポプテピピック』はヒットしたのか?」がSNS上ではホットなトレンドワードになっているけれど、あれこれ考えずに「バカじゃねーの」と思いながら、この壮大な悪ふざけを楽しむのもひとつのスタイルではないだろうか。
来週も、恋にドロップ&ドロップ!

『ポプテピピック』を観たあとに……

今回、『ポプテピピック』をさらに楽しみたいアナタに、読んでほしいマンガ作品を紹介しちゃいますよっ。

『ポプテピピック』大川ぶくぶ


『ポプテピピック』
大川ぶくぶ 竹書房 ¥820+税
(2015年12月7日発売)


『ポプテピピック SECOND SEASON』大川ぶくぶ


『ポプテピピック SECOND SEASON』
大川ぶくぶ 竹書房 ¥820+税
(2017年6月7日発売)


原作マンガは2巻まで刊行されている。現在は「まんがライフWIN」(竹書房)にて第3部『ポプテピピック シーズン3』が好評連載中である。
アニメを見て『ポプテピピック』の荒唐無稽さに驚いた読者は、原作を読んでほしい。「原作どおりだ」と、さらに驚くことだろう。

ナンセンスやシュール系のギャグマンガは、それこそ赤塚不二夫の『レッツラゴン』の頃からたびたび世間を賑わせてきたが、おそらくヒットの理由なんて厳密にはだれも理解できないし、それゆえに再現性がない(狙ってヒットはだせない)。なんとなく「時代の空気にマッチした」としかいえないので、いま『ポプテピピック』が歓迎される時代感をリアルタイムで感じておくことが、貴重なマンガ体験となるはずだ。知らんけど。

ちなみに『ポプテピピック SECOND SEASON』では、私ども「このマンガがすごい!」本誌もパロディの槍玉になっている。「このマンガがすごい!2017」を取れなかったことに「とれてへんやんけーッ!!」と憤慨したポプ子が、「ちゃんと宝島に1億ふりこんだの?」と、竹書房の編集部に電話で問い合わせるシーンがあるのだ。
そしてアニメ第2話では、スクショタイム(ポプテピクソみくじ)のなかに「このマンガがすごい!2019受賞」の文言が挟まっていたことを特記しておきたい。
竹書房さん、領収書は準備してますよ。

突如はじまったスクショタイム。何枚ものおみくじがコンマレベルの猛スピードで切りかわるというカオスな展開のなか、これが撮影できた方、います? 

『ポプテピピック』のほかに、このマンガもおすすめ!

『星色ガールドロップ コミックアンソロジー』


『星色ガールドロップ コミックアンソロジー』
bkub、今井哲也、かふん、小池定路、藤沢カミヤほか 竹書房 ¥750+税
(2018年1月11日発売)


本作は『星色ガールドロップ』のアンソロジー作品である。『星色ガールドロップ』(および『☆色ガールドロップ』)とは、『ポプテピピック』の「セカンドシーズン」連載開始前に、大川ぶくぶが新連載すると予告されたラブコメマンガだ。……もちろん、それはフェイクで、ラブコメが始まると見せかけて「セカンドシーズン」が始まったわけだけど。この『星色ガールドロップ』は、2017年にはエイプリルフールネタとして「アニメ化」が発表された。翌4月2日には『ポプテピピック』のアニメ化が正式に発表され、のちに『ポプテピピック』のアニメ内でも、『星色ガールドロップ』は1話のアバンや次回予告の際に用いられている。
要するに『星色ガールドロップ』はコンテンツとしては存在しないのだが、存在するものとして、コミックアンソロジーがリリースされた。しかもマンガやイラストの執筆陣には、平尾アウリや横槍メンゴ、今井哲也、さらにはbkub(大川ぶくぶの変名)といった人気作家が名を連ねている。

竹書房さん、稼いでますね。領収書は準備してますよ。


アニメ情報:『ポプテピピック』

■放送情報
●TOKYO MX1・BS11:深夜1:00〜
●AT-X:22:30〜
●とちぎテレビ:23:00〜
●中国放送:深夜1:25〜

■配信情報
●あにてれ・AbemaTV・Amazon ビデオ・GYAO!・dTV・ニコニコ動画・ビデオマーケット・Hulu
FOD・Rakuten TV:深夜1:00〜
●dアニメストア・U-NEXT・アニメ放題:正午〜
●バンダイチャンネル・ふらっと動画:正午〜
●ビデオパス・メガパック:0:00〜
●NETFLIX:放送開始以降、随時配信開始

■原作
原作:大川ぶくぶ『ポプテピピック』(竹書房「まんがライフWIN」にて配信中)

■CAST
ポプ⼦:三ツ⽮雄⼆、江原正⼠、⼩松未可⼦、中尾隆聖、⽇笠陽⼦、⽞⽥哲章
ピピ美:⽇髙のり⼦、⼤塚芳忠、上坂すみれ、上坂すみれ、若本規夫、佐藤聡美、神⾕明
ほか

■STAFF
原作:⼤川ぶくぶ(⽵書房「まんがライフWIN」)
企画・プロデュース:須藤孝太郎
シリーズ構成:⻘⽊純(スペースネコカンパニー)
コンセプトデザインワークス:梅⽊葵
⾳響監督:鐘江徹
⾳響効果:⼩⼭恭正
⾳響制作:グロービジョン
⾳楽:吟(BUSTED ROSE)
⾳楽制作:キングレコード
シリーズディレクター:⻘⽊純(スペースネコカンパニー)、梅⽊葵
アニメーション制作:神⾵動画
製作:キングレコード

■音楽
上坂すみれ「POP TEAM EPIC」(ヨミ:ポップチームエピック)

■公式HP
hoshiiro.jp

■公式Twitter
@hoshiiro_anime

<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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