日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ハニカムチャッカ』
『ハニカムチャッカ』
大川ぶくぶ 講談社 ¥660+税
(2017年4月7日発売)
毒舌とシュールギャグでハマるヒトはめっちゃハマる『ポプテピピック』の大川ぶくぶの新刊が『ハニカムチャッカ』である。
帯によれば“※これは4コマ漫画ではありません。J−POPです。”
ということなので本企画「日刊マンガガイド」で取りあげていいものか迷うが細かいことは気にしてもしかたないだろう。
SACHIとTAYOの2人の少女と、天才DJ・DJコピペ(本当に全ページコピペで登場)からなるJ−POPユニット(なのか?)“ハニカムチャッカ”と、その熱狂的ファンである“チャカピー”と“カリメロ”の活躍(?)を“A面”“B面”の交互に描いていく。
今どきの若者はA面B面といわれてピンとくるのかどうかはわからないが、とにかく、キュートなハニカムチャッカの音楽は奇跡を起こし(地球が壊れるぐらい全然平気。死人も蘇るレベル)、その音楽に勇気をもらったファンは上司を撲殺したりするのである。めでたしめでたし。
とにかく全編通じて、大川ぶくぶの個性的と呼ぶほかない世界が広がる本作。
人は選ぶがハマるヒトはハマる。なるほど、これがJ−POPの最先端か(たぶん違う)。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas