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第5回「このマンガがすごい!」大賞 最終選考結果発表!

2014/12/02


『このマンガがすごい!』編集部が主催する、「すごい!マンガ」を見つけるためのマンガ新人賞「『このマンガがすごい!』大賞」! 第5回となった今回、優れた多数の作品が揃い踏み、最終選考では、審査員および編集部スタッフは例年以上に頭を悩ますこととなりました。
しかしついに、最終選考に残った6作品のなかから、本年度の受賞作品が決定いたしました!

応募総数82作品の頂点に輝いた最優秀作品を、ここに堂々発表いたします!

最優秀賞

町村チェス『フォーカス&コントラスト』
(※応募時タイトル「ゾーンフォーカス」ほか)

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第5回「『このマンガがすごい!』大賞」は、町村チェス氏の応募作品「ゾーンフォーカス」「蜘蛛の糸」のなかから、「ゾーンフォーカス」が最優秀賞を受賞。
受賞作は『フォーカス&コントラスト』と改題のうえ、加筆修正・再構成して単行本として発売いたします。

受賞者プロフィール:町村チェス

東京都出身。

2014年、第5回「『このマンガがすごい!』大賞」の最優秀賞を受賞。
応募作の中編「ゾーンフォーカス」をもとに、『フォーカス&コントラスト』を刊行。

STORY

写真学校に通うハルは元スタイリストである年上の友人・きょうちゃんの部屋を訪れてはカメラを向けていた。いつも自然体の彼女に被写体としての魅力を覚えていたが、次第にきょうちゃんの言動に異変が......。

作品講評

東京とは、10~20代の時間の流れとは、女子の友情とは。さまざまなことを考えさせられる。

きょうちゃんが「わたしもハルくらいのときが一番楽しかったなあ」とつぶやくと、ハルは無邪気に「きょうちゃんも(何か楽しいことを)見つければいいじゃん」と返す。きっと、これが現代的な価値観だ。
ハルは作品制作に燃えつつ、彼氏との時間も満喫している。そんなハルに「撮られているだけ」の日々を送るきょうちゃんが静かに狂っていく描写が怖ろしくもせつない。
人は「何か」を見つけなければいけないのか。そんなはずはない。だが、2人の関係がファインダーごしだけのものでなかったなら、きょうちゃんはそう思わずにすんだのかもしれない。

ハルが相手を完全に被写体として割り切れなかったラスト含め、厳しい視座に魅了された。

<「『このマンガがすごい!』大賞」審査員・粟生こずえ>

最終選考通過作品

今回、一次選考を通過した12作品のなかから、町村チェス氏による応募作のほか、下記の5作品が最終選考まで残りました。

  • とりこぼ縞屋『音降る地図の上で』
  • 小角らいおん『死神探偵SARIEL「三番目の娘」』
  • 白藤『海と山の攻防戦』ほか
  • 白桜悠都『白い弾丸列車』
  • 八木裕太『ゲイ・オタ・コン~オタクのゲイカップルが結婚する方法。』ほか

編集部にて議論を重ねた結果、上記5作品は惜しくも選外となりました。

第5回「『このマンガがすごい!』大賞」総評

まずは、第5回「『このマンガがすごい!』大賞」応募者のみなさまに、心よりお礼を申し上げます。

本年度は、スプラッター的ともいえる描写のあるアクション作品から、BL、コミックエッセイ、ショートコメディなど、例年以上にバラエティ豊かな作品が揃っていました。
とくに最終選考まで残った6作品は、どれも大きく異なるジャンルでありながら、荒削りながらも魅力的なエンターテイメントとして成立しており、「マンガ」という表現方法の幅広さを前に、スタッフ一同、改めて感嘆するほどでした。
そのなかで、特に高い完成度と今後への期待値をあわせ持っていたのが、今回「最優秀賞」を受賞した、町村チェス氏の中編「ゾーンフォーカス」でした。

「ゾーンフォーカス」は、応募時から大幅な加筆・修正、および内容の再構成を加えたうえで、2014年12月10日(水)に、単行本『フォーカス&コントラスト』として刊行します。
また、『このマンガがすごい!WEB』上では、『フォーカス&コントラスト』の作品紹介や、著者である町村チェス氏への受賞記念インタビュー記事をアップいたします。さらに、作品本編の一部を「試し読み」として公開もする予定です。

今後の日本マンガ界の一端を担うであろう新たな才能を、『このマンガがすごい!WEB』をご覧いただいているみなさまにも、お届けできれば幸いです。

<『このマンガがすごい!』編集部>

単行本情報

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