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『水色の部屋』 (ゴトウユキコ)ロングレビュー! 母親に欲情する少年の、背徳と葛藤と吐き気のする現実

2015/02/04


mizuironoheya_s_jyo

『水色の部屋』上巻
ゴトウユキコ 太田出版 \800+税
(2014年12月4日発売)


畳の上にでっぷりとした猫と横たわる穏やかな寝顔の少女に、アラーキー(荒木経惟)の力強くもあたたか味のある題字がズシンと乗る表紙。
ページを繰って最初に飛び込んでくるのは鮮烈すぎる文字列。涙をためる女性の目、重なりあう男女の頭部、太もも、二の腕、尻、胸……。
読み手をイッキに作品内に取りこんでしまう、すさまじい冒頭だ。

ゴトウユキコといえばヒロインが“セクシーな仔牛”という衝撃作『ウシハル』や、中学男子が見せる切実なリビドーを活写した『R-中学生』で青年誌に新風を送りこんできた気鋭の作家だ。
ところがこの『水色の部屋』はこれまでのハツラツとした思春期エロ路線から一変、ドロッとした夏の汗が首筋に張り付いているような、淫靡な世界観が構築されている。

高校2年生の柄本正文は母親の沙帆(サホ)と2人暮らし。正文は幼少時に自宅で目撃した暴力的な出来事がトラウマとなり、実の母であるサホに対して、どうにもならない想いを抱きながら生活していた。

お出かけするサホさん。正文は普段と違う母親の艶やかな唇に思わず目がいってしまう。

お出かけするサホさん。正文は普段と違う母親の艶やかな唇に思わず目がいってしまう。

サホはまだ30代前半の若く美しい女性。彼女に言い寄る男は当然のようにいる。
しかし、母親をとられるという以上の感情が正文を支配する。キャミソールからのぞく胸、洗濯かごに放り込まれた下着、ワンピースに透けるボディライン、そして何度も見てしまう“水色の部屋”の夢。

洗濯かごからチラ見えする下着にすらドキドキ。これが日常なんだもん、キツいよなぁ。

洗濯かごからチラ見えする下着にすらドキドキ。これが日常なんだもん、キツいよなぁ。

単行本情報

  • 『水色の部屋』上巻 Amazonで購入
  • 『ウシハル』第1巻 Amazonで購入
  • 『R-中学生』第1巻 Amazonで購入

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