365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
4月11日は富士山が噴火した日(延暦の噴火)。本日読むべきマンガは……。
『MMR マガジンミステリー調査班 1999 人類破滅の真相』第4巻
石垣ゆうき 講談社 ¥379円+税
西暦800年の本日(旧暦では3月14日)は、富士山の三大噴火のひとつに数えられる「延暦(えんりゃく)の噴火」が起こった日。
記録によると、その噴火は同年(延暦19年)の5月15日(旧暦では4月18日)までの1カ月以上にわたって最初のものが続き、さらに翌年から断続的に激しく火山灰を降らせ、延暦21年の初頭にようやく沈静化するまで約3年も噴火が続いたという。
ご存じの方も多いとは思うが、富士山は現在のところ穏やかな表情を見せているものの、れっきとした活火山。延暦の噴火以降、およそ100年に1度ぐらいのペースで噴火していたのだが、1707年の「宝永の噴火」から310年間も沈黙を続けているのが逆に不気味な気も……。
このまま世界遺産にも登録された、日本を象徴する美しい霊峰であり続けてくれることを祈るばかりである。
あまり考えたくはない事態とはいえ、「もし富士山が噴火したらどうなるのか」という最悪のケースは考慮しておくのが“賢者の選択”というもの。
というわけで、最悪のケースのバイブルといえば……もちろん『MMR マガジンミステリー調査班』の出番。これぞ災厄に備えて賢者が読むべき書であることは、疑いの余地など1ミリもないことである。
「な……なんだってーーー!!」と驚くのはまだ早いぞ!
本作で富士山噴火が取りあげられているのは、単行本第4巻に収録されている「ムー大陸が警告する世紀末破局とは!?」のエピソード。
タイトルからすると富士山なんてまったく関係なさそうだが、さにあらず。
ムー大陸が海底へと沈んだ原因が火山の噴火と地下水にあると究明するうちに、じつは日本列島も同じ条件が揃っていることが判明。
しかも伊豆沖から次第に噴火が本土に接近していることから、近い将来にエネルギーを蓄積し続けている富士山が大噴火するとの予測に至るのがこの話の本筋である。
それによって引き起こされるのは、日本中の休火山の連鎖的噴火。
最終的にはムー大陸と同様「日本沈没」という事態にな、……なんだってーーー!!
とまぁ、これぐらい最悪の事態に備えていれば、まさかの時も安心だろう。
たぶん。
ちなみにシャレにならない事実もお伝えしておくと、本日起きたのは富士山の噴火だけではない。
2011年には東日本大震災の余震である「福島県浜通り地震」によって4人が死亡。
2012年にはスマトラ島沖でマグニチュード8.7の大地震が発生して5人が死亡。
……と、やたら大きな自然災害が多い日なのである。
この記事が配信される日は、何ごともなく本作が笑って読めているといいんですけどね……。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。