『双星の陰陽師』第3巻
助野嘉昭 集英社 \438+税
(2014年10月3日発売)
タイトルのとおり、陰陽道の術師たちが活躍するアクション。ところどころ、実際の陰陽道のアイテムや概念が登場するものの、お祓いの仕方などはバトル向けにだいぶカスタマイズされている。
主人公の焔魔堂ろくろは、かつて自分がいた寮の仲間を全員「ケガレ」に殺され、ひとり生き残った。
ろくろはそのときのトラウマのせいで陰陽師にはならないと決意していたが、ある日知り合った美少女陰陽師の化野紅緒と、「双星の陰陽師」、すなわち安倍清明すらしのぐと言われる「神子」を産むための夫婦に選ばれ、ふたたび陰陽師の道を歩み始める。
第3巻となる今回、人間がケガレになる「ケガレ堕ち」や、ろくろのトラウマになっていた「雛月の悲劇」の真相が明らかにされ、いよいよ物語が動き出す。
特筆すべきは第2巻で登場した2人目のヒロイン・繭良で、彼女が非常によい味を出している。今後も活躍してほしいなぁ……。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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