『ホスト漫』第1巻
木下聡志 講談社 ¥429+税
(2014年10月9日発売)
モテない&サエない、痛~い30歳童貞・小林正太が、「女心」を学び、少女漫画家としてデビューを果たすため、ホストの世界へ身を投じる――。
著者の実体験をベースに生まれたという本作。売れない女芸人や女性作家がホステスをやってた……というのはよく耳にするハナシだが、男性の場合も、今はヒモだけでなくホストという手があるんですね(著者、プロフィール写真を見るかぎりは王子系イケメンだけど)。
チャラいかと思いきや、じつは驚くほど地味で礼儀作法に厳しく、細かな努力と気配りを必要とされるホストの世界。自分より10歳近く年下で、プライベートではかなりの変人ぶりを発揮する先輩ホストらにいじられ、手ごわいお客に振りまわされながらも全力でがんばる小林。
お客さんのタイプを瞬時に見極め、それに沿った方法で「女心」をくすぐり、次なる来店へと繋げてゆくホストのテクは、多少芝居がかってはいるが(だからイイのか?)なるほどなあーと感心させられるモノもあり。
小林の成長も気になるけれど、せっかくの実体験マンガなんで、さらに未知の世界をリアルにかいま見せてくれることに期待!
<文・井口啓子 >
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて『おんな漫遊記』連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69