『鳥肌通信』
外薗昌也 芳文社 \463+税
(2014年11月17日発売)
『犬神』に『エマージング』、『ワイズマン』、そして『鬼畜島』などで知られる外薗昌也が、「本当にあった(僕には)怖い生話」として連載していた4コマ作品をまとめたのが本作。
異次元との境界が浸食されていくような特異な作風で知られる著者ならではの、静かで、手触りのあいまいな、それでいて確かなような気もする、不気味な出来事の数々。
はじめのうちは、ホラー漫画家の体験する普通の出来事を、軽くまとめてあるだけなのだが、ホラーと隣り合わせの日常がややコミカルに描かれるのを淡々と読み進めて行くうちに、読者の側の常識や当たり前の感覚が揺らいでくるような印象が生じてくる。
なお、320ページで500円という、オトク感のある価格設定。
ちょっとした非日常を味わいたい方はどうぞ。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
Twitter:@nnnnnnnnnnn
Twitter:@n11books