『清野とおるのデス散歩』
清野とおる 白泉社 \730+税
(2015年1月28日発売)
昨年後半から「モーニング・ツー」にて『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』、「週刊SPA!」にて『ゴハンスキー』と、新連載攻勢をかけたかと思いきや、代表作『東京都北区赤羽』が山田孝之主演で衝撃のドラマ化!
これまでのマイペースがウソのように快進撃を開始した清野とおる。
1月28日には『ウヒョッ!東京都北区赤羽』第4巻、『Love&Peace ~清野とおるのフツウの日々~』、そして本稿でとりあげる『清野とおるのデス散歩』と3冊同時リリース!
本当にもう、いったいどうしちゃったのよ、清野さん!
この『清野とおるのデス散歩』には、赤羽以外の不思議ゾーン突入体験が収録されている。
御茶ノ水の路地裏に現れたセキュリティのしっかりした廃墟、のどかな鬼子母神で尋常ならざるオーラを発する老婆、四万温泉の円周率ジジイなど、赤羽を出てもしっかり“違和感”を呼びこんでしまうのが、清野とおるの清野とおるたるゆえんだ。
特筆すべきは前・中・後編からなる大作「空き地のバケモノ」。
赤羽のタイ料理屋「ワニダ」の常連・佐々木さんが2回も出くわしたという“蜘蛛女”の真偽を確かめるため、現地を徹底調査するドキュメンタリーだ。
そこでは予想のナナメ上をいく、戦慄の出来事が待ち受ける。
ふとした瞬間にポッカリと口を開ける非日常に、すかさずダイブする清野流フィールドワークの真骨頂をご堪能あれ!
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。4月4日公開・松尾スズキ監督『ジヌよさらば~かむろば村へ~』の劇場用プログラムに参加します。
「ドキュメント毎日くん」