『グラゼニ』の大ヒットで“原作者・森高夕次”としても絶好調! 現在、野球モノでの原作では、巨人軍のエースを競いあった江川卓と西本聖を描く『江川と西本』(画・星野泰視)、温泉旅館を舞台としたコメディ『湯けむり球児』(画・木下由一)を手がけ、今や野球マンガの第一人者に。
そして“漫画家・コージィ城倉”の最新作が、全35巻を数えた『おれはキャプテン』の続編となる本作である。
『ロクダイ』とは……そう、野球好きならピンとくる、つまりは早稲田、慶應義塾、法政、明治、東京、立教からなる「東京六大学野球」リーグを舞台とした物語だ。
『おれはキャプテン』で主人公のカズマサ率いる朋王学園は、二度の甲子園出場を果たしている。とはいえ……身体の小さいカズマサは、高校卒業時点で、プロはおろかどの大学野球部からもお呼びがかからず。
反骨精神あふれるカズマサが出した結論は、六大学リーグのなかで図抜けて弱い東大に入り、自分を獲らなかった「強い大学」をブッ倒すことなのだ!
コージィ城倉(=森高夕次)はどの作品においてもエリート選手を主人公にすえるのではなく……ちょっとひねった視点で新たな野球のおもしろさを描き出す名手。
けっこうな野球好き以外は知らない「大学野球」の世界へどのようにいざなってくれるのか、これからが楽しみな作品である。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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