365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
12月4日は『E.T.』の日本公開日。本日読むべきマンガは……。
『からくりサーカス』第23巻
藤田和日郎 小学館 ¥390+税
1982年12月4日は、スティーヴン・スピルバーグの映画『E.T.』が日本で公開された日である。
日本で公開されるやいなや爆発的な人気を博し、1997年に『もののけ姫』に抜かれるまで興行成績の歴代1位をキープし続けた。
それほど日本でも深く愛された『E.T.』だが、公開当初は、日本ではよくわからないシーンがあった。
2015年現在では日本でも広く知れわたった風習だが、1982年当時には「アメリカには変わったお祭りがあるんだなぁ」くらいにしか認識されていなかったもの……そう、ハロウィンである。
主人公たちはE.T.(地球外生命体)を自宅にかくまっていたが、みんなが仮装をするハロウィンならE.T.の姿をごまかせるとして、ハロウィン当日にE.T.を外に連れ出すのであった。
ハロウィンといえば、カボチャをくりぬいて作るジャック・オー・ランターンだ。このフォルムがそのまま登場するのは、藤田和日郎『からくりサーカス』である。
主人公・才賀勝は黒賀村の人形使いたちに追われるが、父・貞義が“残した”懸糸傀儡(マリオネット)を操って、追っ手を撃退する(第23巻)。
このとき勝が操った3体の懸糸傀儡のうちの1体が、ハロウィンのカボチャの姿をしており、その名を「ジャック・オー・ランターン」という。勝はこの懸糸傀儡を「ジャコ」と呼び、その後も勝の相棒として活躍することになる。
今ではすっかり定着したハロウィンだが、1982年『E.T.』、2002年『からくりサーカス』(23巻刊行年)との時代性の違いを認識して両作品を読むと、また違った味わいがあるだろう。
<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
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