日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ポプテピピック』
『ポプテピピック』
大川ぶくぶ 竹書房 ¥820+税
(2015年12月7日発売)
Twitterで話題になりまくっているので、絵を見たことがある人は多いはず。
女の子2人が、表情をあまり変えずひたすら意味のない行動を繰りかえす、不条理マンガだ。
不条理系といっても様々なジャンルがある。
あえていえば、このマンガは「ネット話題型不条理系」。
『干物妹!うまるちゃん』や「ラッスンゴレライ」「ドラゲナイ」「サブカルクソ女」など、流行りの話題を一分のためらいもなくネタにしていく。
こういう時事ネタは風化しやすいという欠点がある。
ところがネット系時事ネタはただのフックで、そこからいかに不条理ネタにふっていくかがこのマンガの持ち味なので、時間がたってもおもしろさがまったく損なわれていない。
有名なのは「今日も1日がんばるぞい」という『NEW GAME!』のパクリ(パロディですらない)。
これ自体をネタにするのではなく「私が最初に言いだしたことになんねーかな」と奪おうとする。
しかも2回使っている。
あおり文が「まさか身内からこんな恥知らずが出るとは」というところまで含めてネタ。
メタなネタも多い。
「コピペばっかりでしょーもないです 他のまんが家さんをみならって下さい」とおたよりが来る回がある。
当たり前のように、著者はそれに対してコピペ絵で返す。
出版社である竹書房の看板に「指定暴力団」と書き込む回がある。やりすぎだろうと思ったら、やりすぎだったようだ。
ほかにも「アンチと信者」や「ユーチューバー」など、ネットの話題をどんどん敵にまわす。
「ポプテピピック」は何かと戦い続けている……えっ、1巻で終わりなの!?
帯にはこう書いてある。「大人気打ち切りコミック!」。
カバー裏にはこう書いてある。「これで終わると思うなよ」。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」