365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
5月25日は広辞苑記念日。本日読むべきマンガは……。
『小学館文庫 コージ苑 第1版』
相原コージ 小学館 ¥800+税
1955年5月25日は岩波書店が日本語国語辞典『広辞苑』の初版を発行した日を記念し、「広辞苑記念日」に制定されている。
初版から60年以上の歴史を持つ広辞苑は、中型の国語辞典では「大辞林」と並んで有名であり、1992年には見出し仮名を末尾から引く形式の『逆引き広辞苑』なども登場した。
本日紹介するマンガは、そんな国語辞典の代名詞的存在である広辞苑をモチーフにした異色のギャグマンガ・相原コージ『コージ苑』だ。
本作をご存じない方からすると、コージ苑というタイトルが、さしたる理由もなく著者のペンネームと広辞苑をひっかけているだけのダジャレタイトルに思えるかもしれないが、じつは作品内容も広辞苑を意識したユニークな構成になっている。
1話ごとに「あ」、「い」、「う」、といった五十音から始まる言葉をテーマにしたマンガが収録されており、単行本を通読すると4コママンガで構成された国語辞典を読んだような読後感になるというおもしろい仕掛けが施されているのだ。
また、現在では珍しくない手法であるものの、1作だけでは話が完結せず、同一キャラクターの物語が延々と続いていく連作形式を4コママンガにも取り入れるなど、様々な意欲的な試みを行なっているのも見どころのひとつであり、本作の実験精神によってもたらされた多種多様な知見が現在の4コママンガシーンの礎をつくったと言っても過言ではないだろう。
4コママンガ史に残る傑作『コージ苑』を本家『広辞苑』の記念日である本日に読むのもオツな趣向だ。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。