日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『賭ケグルイ双』
『賭ケグルイ双(ツイン)』第2巻
河本ほむら(作) 斎木桂(画) スクウェア・エニックス ¥571+税
(2016年5月21日発売)
ギャンブルによって生徒間のヒエラルキーが決定する学園を舞台にしたヒット作『賭ケグルイ』。その脇役、ツインテールのツンデレ美少女っぷりが人気の早乙女芽亜里を主役にすえた、本編の1年前の学園を描くスピンオフ作の第2巻が、早くも登場だ。
生徒会執行役員・壬生臣葵(みぶおみ・あおい)の罠にかかり、手にした富と権力を一瞬にして失ってしまった芽亜里と仲間たち。追い打ちをかけるように、生徒会への上納金の締め日が近づき、このままでは彼女たちは学園内ヒエラルキーの最下層まで落ちてしまう。窮状を前に芽亜里は、一発逆転を目指して壬生臣の持ちかけた取引に乗る。
そして挑むことになったのが、婚活パーティを模したバトル、その名も「カップリングギャンブル」。
男女それぞれ5人で卓を囲み、意中の異性を指定。カップルが成立した場合は女が男に、不成立の場合は男が女に金を払うという、シンプルなゲームだ。
ルールが単純明快なだけに、表向きのゲームの戦略よりも、背後の心理戦が勝利の鍵を握る。
敵に隙を突かれ、仲間に対する疑心暗鬼の念にとらわれてしまう芽亜里。勝負の結末は……?
本編同様、『カイジ』シリーズを思わせるようなルールバトルもののおもしろさと、萌える美少女たちのほのかな百合具合がたまらない。今後の展開にも要注目だ。
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei