365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
7月15日はLINEが上場する日。本日読むべきマンガは……。
『キャラクタイムズ』第1巻
萬屋不死身之介 小学館 ¥419+税
無料対話アプリでおなじみの「LINE」が、本日(2016年7月15日)、新規上場を行う。
本稿執筆時点で上場先は未定だが、東証1部が有力だ(各種ニュース等でお確かめを)。
ちなみにニューヨークにも同時上場。2016年最大の新規株式公開となることは間違いない。
いまやスマホユーザーの定番アプリとなった「LINE」は、2011年6月23日にサービスを開始。2013年には全世界で2億ユーザーを、2014年には5億ユーザーを突破した。もはや一般的なメールも電話も使わず、ラインだけで文書のやりとりも通話もすませてしまうという人も多いだろう。
基本的なLINEの利用法はトークと呼ばれる無料チャット。1対1はもちろん、グループチャットも可能だ。
このトークの際、絵文字のように貼りつけることができる画像をスタンプという。
趣向をこらしたスタンプの数々は、トークの盛り上げ役として大活躍。手持ちのスタンプでトーク合戦をするのも楽しい。
このスタンプには、ブラウン(熊)、コニー(うさぎ)、ムーン(月)といったLINEのオリジナルキャラクターも使用されており、ユーザーにはすっかりおなじみ。LINEを象徴する存在といっても過言ではない。
てなわけで“きょうのマンガ”はブラウンやコニーを主役に据えた萬屋不死身之介の『キャラクタイムズ』をピックアップ。連載スタートは「週刊少年サンデー」2013年6号。LINEがスタートして、ものの1年半でタッグを組んだ計算だ。
即席のタイアップもので少年誌連載……。こう聞くとヌルいイメージを持つ諸兄も多いと思うが、とんでもない!
とにかくお金が大好きで腹黒い発言を繰り返すコニー(東京の下町育ち)を主軸に、無口×怪力で得体の知れない怖さを持つブラウン、何をやってもうまくいかず、とことんひどい目にあい続けるムーンが、人気キャラになるべく奮闘(?)する破壊力満点のブラックコメディに仕上がっている。
その結果、企画モノながら打ち上げ花火では終わらず、「サンデー」読者からもしっかりと支持を得ることに。
2015年35号からは続編の『キャラクタイムズ ゴールデン』がスタートし、足かけ3年半も連載は続いてきた。
ところが……。なんとこのLINEが上場するというお祭りのタイミングで、連載が終了してしまったのだ(「週刊少年サンデー」2016年30号掲載分で最終回)。
LINEを爆発的に広めた立役者的存在であるコニー、ブラウン、ムーンたちも、ひとまずお役御免といったところだろうか。
いやいや、あの銭ゲバ(失礼!)のコニーが、このままフェイドアウトするはずない。「まだまだ稼ぎ足りないわ」と、いつの日かシレっと戻ってくることだろう。
<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。今秋公開予定の内村光良監督『金メダル男』の劇場用プログラムに参加しております。