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『魔法少女なんてもういいですから。』 第2巻 双見酔 【日刊マンガガイド】

2016/12/27


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『魔法少女なんてもういいですから。』


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『魔法少女なんてもういいですから。』 第2巻
双見酔 泰文堂 ¥600+税
(2016年11月26日発売)


葉波ゆずかの目の前に現れたのは、鳥……というかなんだろう、顔に羽が生えたような変な生き物、ミトン。
「この腕輪をつければ魔法少女になれる」といい出した。

つい興味を持ってしまったゆずか。腕輪をはめて変身したところ、街のなかで水着に。
冗談じゃない、もういいです、やめます!

魔法少女になっても、特に何かを倒すわけでもなければ、アイドルになるわけでも、人助けするわけでもない。
水着になるのはいちおう、ゆずかの魔法が水系だかららしいけど、理由や仕組みもよくわからない。
ゆるふわとんちんかん魔法少女マンガ……が第1巻だった。

第2巻になってからは状況がガラッと変わる。
彼女の目の前に現れたのは、かつてミトンが魔法少女にしたことがある少女。
魔法少女は、16歳の定年になるか、魔力を使いきってしまうと、二度と戻れなくなる。

もうひとりの魔法少女、真冬。ペンギン型のポチを連れて、サンタクロース型に変身する。魔法は、自在に操ることのできる袋。
ゆずかは明るい彼女とすぐに仲よくなるが、真冬は間もなく16歳、定年になる。
そうしたら、ポチは見えなくなり、魔法少女になることは二度とできなくなる。

あんなにも「やめたい」と思っていた魔法少女が、はかなくもろいものとして描かれる。
ここでの「魔法少女」は、「少女」としての時間の表現だ。
はやくすぎてほしい、と思う反面、消えてしまうとさびしさに襲われる。

真冬の魔法少女最後の日、あれだけ水着魔法少女をやめたがっていたゆずかが、彼女にあることをする。
とても魔法少女的で、とても熱くて、悲しいシーンだ。

これはゆるふわ魔法少女マンガ。
そして「ゆるふわ」な時間は、いつか終わりを告げる。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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