365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
4月13日は喫茶店の日。本日読むべきマンガは……。
『このマンガがすごい!comics 珈琲店タレーランの事件簿』第1巻
岡崎琢磨(作)峠比呂(画) 宝島社 ¥690円+税
すっかりあたたかくなり、桜前線がどんどん日本列島を北上している本日4月13日は、「喫茶店の日」である。
1888年の今日、上野(東京都)に日本初の喫茶店がオープンしたことに由来するらしい。明治時代、喫茶店はさぞかしハイカラな場所だっただろう。
『キャッツ♥アイ』しかり『サウダーデ』しかり、マンガには喫茶店が舞台の作品はたくさんある。90年代のラブコメなら、待ちあわせの場所にいつまでたっても現れない恋人を待ちぼうける場所といえば、夜ならレストランで昼なら喫茶店なのである。(超独断!)
そして、喫茶店マンガ界のニューフェイスといえば『珈琲店タレーランの事件簿』だ。
累計売上220万部の大人気ミステリーが原作である本作は、マンガも発売後即重版がかかるほどの大人気。シリーズ第3章が当サイトでも連載中なので、そちらも要チェックだ。
今回ご紹介するのは、シリーズ第1章目。京都の路地裏にたたずむ喫茶店、純喫茶タレーラン。青年・アオヤマは、雨宿りのためにタレーランに立ち寄り、女性バリスタ・美星(みほし)の淹れるコーヒーのおいしさに驚愕。以来、店に通うようになる。
物腰が柔らかなアオヤマと反対に、少々気の強いところもある美星だが、身のまわりで起こる謎を2人で解明するうち、お互いの距離は徐々に縮まって――。
バリスタである美星が、ハンドミルを回しながら謎解きをする描写は、喫茶店マンガならでは。「謎はすべて解けた!」とか「真実はいつもひとつ!」みたいな決めゼリフとして、「その謎たいへんよく挽けました」が登場するのもいい。祇園祭に河原町三条、京都御苑と、ストーリーのなかにさりげなく京都らしさが描かれているのも魅力だ。
第1章のラストでは、2人にまつわる大きな謎が解き明かされる。その秘密がどんなものであるか、ぜひコミックスで確認してほしい。
<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。