日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『となりの関くん』
『となりの関くん』 第10巻
森繁拓真 KADOKAWA ¥600+税
(2017年3月23日発売)
横井さんのとなりの席の、関くん。いつも授業中、机の上で遊ぼうと、知恵のかぎりを尽くして企んでいる。
10巻では、芝を敷いてミステリーサークルをつくったり、机をステンドグラス化したり、太陽光発電したりと、あいかわらずやりたい放題。
横井さんもすっかり慣れたもので、キレのあるツッコミを見せてくれる。
むしろ最近は関くん側が“横井さんのツッコミ待ち”みたいなシチュエーションも増え始めている
あまりのツーカーっぷり。もういつ結婚するの、はよ!
……と思っていたら、あとがきでこんな発表が。
著者「お休みをもらいます」
ええーっ!?
そもそもこのマンガの根っこは、机の上で毎回何か一発ネタをやる、というもの。
横井さんが驚いてこそ、おもしろい。
ところが10巻も続けてくると、どんなトンチキなネタを取り出してきても「またなんかやってる」「んで次どうなるんだろう」くらいに、そんなに驚かなくなった。
熟年夫婦化が進みすぎてしまった。
それはそれでたまらなくいいもの。
だけれども、著者は、あくまでも机の上のスケールで、バランスを保ちたいと考えているとのこと。
決して終わる訳ではないので、ここは著者が考えるペースで描いてくれるのを期待。
ほら、遠距離恋愛と同じで、時間がたつほどときめきも大きくなるでしょう?
そうしたほうが、横井さんと関くんの仲も、“いつも新鮮でときめき(びっくり)のある熟年夫婦”になっていくような気がするのです。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」