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【日刊マンガガイド】『マイルノビッチ』第12巻 佐藤ざくり

2014/09/10


MAIRUNOvich_s12

『マイルノビッチ』第12巻
佐藤ざくり 集英社 \400+税
(2014年8月25日発売)


髪ボサ&メガネでドブス、通称毒キノコの女子高生・木下まいる。恋愛はおろか友達もいない彼女は、何かにつけ「私なんか……」と自虐的マイナス思考のもと、暗~い学生生活を送っていた。
そんなまいるが、メイクアップアーティスト志望の同級生・熊田天佑のキツい言葉で開眼。メイクやおしゃれを覚え、かわいく変身したのが本作の第1話。

その時点で「ドブスじゃないじゃん!」とツッコミを入れながらも、筆者が最終回を迎える本巻まで読み続けてきたのは、「そうそう、女の子は誰だって努力次第でかわいくなれるよね?」という自己防衛本能によるところと、変身後のまいるの恋愛経験の数々に気持ちがことごとくシンクロしてのこと。
努力して女子力を上げ、「この人じゃなきゃダメと思える人」に出会うべく奮闘するまいるの恋愛は、恋に恋しているだけで好きじゃない相手と付き合っちゃったり、初めての両想いに浮かれて、相手に振り回されちゃったり、大好きな彼氏の浮気現場を見て、海より深く沈んじゃたり、寂しさから出会って間もない年上男性にフラッとしちゃったり……。とにかく恋愛初心者女子のあるあるや失敗がいっぱい。

そんなまいるをいつも支えてくれる天佑を、まいるが好きになるのはごく自然な流れなわけで(てゆーか、泣いて電話したら助けに駆けつけてくれる天佑のヒーローっぷり、そもそも友達を超えてるやろっ!?)。ついに天佑への気持ちをまいるが自覚し、告白するもフラれて迎える最終回。まいるの前から姿を消した天佑とまいるは、友人に戻るのか? それとも……?
まいるに初恋中のイケメン・冬、毒舌な女友達・綾乃、そして歴代の彼氏たち……。登場人物の新たな一歩が見られる本巻は、恋したい女の子に勇気と笑顔をくれること間違いなし!

それにしても、最終回ぎりぎりまで天佑に勝るとも劣らない優しさ、かっこよさを魅せる冬が、個人的にはたまりません!!



<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。

単行本情報

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