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『鬼滅の刃』 第6巻 吾峠呼世晴 【日刊マンガガイド】

2017/06/01


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『鬼滅の刃』

  
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『鬼滅の刃』 第6巻
吾峠呼世晴 集英社 ¥400+税
(2017年5月2日発売)


亡き父のあとを継いで炭を売りながら、母や弟妹とつつましくも幸せな毎日を送る少年・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、妹・禰豆子(ねずこ)をのぞく家族すべてを“人喰い鬼”に殺され、禰豆子も鬼にされてしまった。
炭治郎は禰豆子を人間に戻すため、彼女の正体を隠しつつ2年の修行を経て鬼を狩る組織“鬼殺隊(きさつたい)”に入隊する。

家族の仇である頭領・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)を求めて人喰い鬼との戦いを続ける炭治郎と鬼殺隊は鬼の幹部クラスである“十二鬼月(じゅうにきづき)”のうち鼓鬼・響凱(きょうかい)と蜘蛛鬼・塁を倒すことができたが、塁との戦いのなかで禰豆子の“正体”がばれてしまう。

最新第6巻では、塁との死闘の傷もいえないうちから炭治郎は、鬼殺隊の最高位である9人の“柱”の前に引き出されて“柱合裁判”にかけられる。
まず注目すべきは柱たちの濃すぎる個性。
嘘をついた炭治郎をネチネチといびる蛇柱・伊黒小芭内(いぐろ・おばない)や、禰豆子の境遇をあわれみ涙する(が、結果的に殺すつもり!!)岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)、鬼絶対殺すマンの風柱・不死川実弥(しなずがわ・さねみ)などおおむねは禰豆子を鬼として殺すべしという意見だったが、鬼殺隊当主の産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)の出座によってようやく禰豆子を条件つきで当面は静観することとなった。

一方、十二鬼月のほうも、幹部のたび重なる失態にいらだつ鬼舞辻が、“下弦”と呼ばれる格下の幹部をみずから一掃、すなわち殺害し、ひとり残された“下弦の壱”だけにその血を分け与えて鬼殺隊を狙わせる。
どうやら鬼舞辻は鬼殺隊のエースである柱以外に“耳に花札のような飾りをつけた鬼狩り”すなわち炭治郎も追っている様子で、2人のあいだには何かしらの関係があることも判明した。

ケガからの機能回復訓練のなかで、仲間の善逸・伊之助とともに基礎体力をあげる呼吸法“全集中・常中”を会得した炭治郎は、ついに動き出した仇敵・鬼舞辻無惨に近づくことができるのか?
巻を重ねるごとに盛りあがっていく大正剣戟アクションロマン、まだまだ決着には時間がありそうなので未読の方は今からでも読み始めていただきたい。



<文・富士見大>
編集・ライター。最近お手伝いさせていただいた作品は『俺たちの仮面ライダーシリーズ 電王 10th ANNIVERSARY』『特撮の匠 昭和特撮の創造者たち』ほか。

単行本情報

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