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『鬼滅の刃』 第4巻 吾峠呼世晴 【日刊マンガガイド】

2016/12/30


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『鬼滅の刃』


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『鬼滅の刃』 第4巻
吾峠呼世晴 集英社 ¥400+税
(2016年12月2日発売)


人喰い鬼を滅ぼすため戦う、大正鬼斬り奇譚。
もともと頭を使うバトルが魅力の作品だが、第4巻に入ってからのアクションのおもしろさ、尋常じゃない。

炭次郎(たんじろう)の家族は、人喰い鬼に惨殺された。
ひとりだけ生き残った妹の禰豆子(ねずこ)。
意識はまだかろうじて残っているものの、なかば鬼になりかけている。
彼女を救うため、炭次郎は鬼を滅ぼす刀を持つ「鬼殺隊」に入隊。
人喰い鬼たちとの戦いを始める。

第4巻では、炭次郎の同期である我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)と嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)が合流する。
この2人がどえらい曲者。3人いると会話がまったく成立しない。

善逸はものすごく臆病で腰抜け。
一般人よりギャーギャー泣きわめく有様で、足手まといっぷり半端ない。
彼のセリフには迷言が多いため、現在配信されているLINEスタンプで大活躍だ。
しかし彼は眠ると本来の実力を発揮、強烈な一閃を放つ剣士になる。

伊之助は超好戦的なバーサーカー。
普段は猪の毛皮をかぶっており、マッチョな身体で両手に刀を握り、ただただ相手に突進する。
まさに猪突猛進。体術にもたけており、戦闘では頼りになるのだが、いかんせん話を聞かない。
そして常識をいっさい知らない。会話すらままならない。

仲よしでもなんでもないのだが、3人がいっしょに行動することで、戦闘表現と時間経過がより立体的になった。第4巻では蜘蛛の鬼の一家が登場、相手を糸であやつり、子蜘蛛をはわせ、毒をうち……多様な戦闘スタイルの彼等には、とてもひとりじゃ勝てない。
炭次郎と伊之助が初めて本格的なかたちで力を貸しあって、一気に強敵2体を倒す展開のスピーディーさ。かたやしなやかに、かたや暴力的に崩すコンビネーションは、爽快だ。

一方、鬼の禰豆子による、一撃で首を飛ばすような豪快な攻撃シーンは第4巻では出てこない。
彼女が戦わないのはとてもいいことだが、この作品は炭次郎との2人の絆でコンビネーション攻撃を繰り出すのが魅力的な作品だ。
多技多彩な炭次郎&禰豆子、一撃の善逸、豪腕の伊之助による、多角的チームバトルがぜひ見てみたい!



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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