このマンガがすごい!WEB

一覧へ戻る

『麻雀小僧』第10巻 押川雲太朗 【日刊マンガガイド】

2014/09/21


mahjongKOZOU_s10

『麻雀小僧』第10巻
押川雲太朗 竹書房 \648+税
(2014年9月5日発売)


笑顔の中に狂気を隠し持つ若き天才雀士“まー坊”こと正岡正彦の活躍を描く、本格闘牌コミックの第10弾。

全国の名だたる猛者が見せ金1億円を持って臨む客船麻雀の開催が、いよいよ間近に迫ってきた。そんな大金を持っていないまー坊は、優勝すれば無条件で切符が手に入る予選会に挑むも、決勝卓で辛酸をなめるハメに。
あとは自力で1億円を稼ぐしかないが、手持ちの金は2000万円しかない。ハリウッドで活躍する有名俳優・土門が主催する超インフレ麻雀で、どうにか8000万円まで増やしたものの、あと一歩のところでタイムアップ。客船の出航まで一週間を切り、万策尽きたかに見えたまー坊だったが、ヒゲ谷から超高レートの卓に誘われる。
これが正真正銘のラストチャンス。だがその場は、まー坊を自分のチームに引き入れたい三好が画策した、1対3の圧倒的不利な麻雀だった――。

連載スタートから4年、客船麻雀に参加することだけを生きがいに高レートでしのいできたまー坊が、あと一歩で夢をつかもうとしている。役ナシからでも果敢に仕掛ける、なんでもありの鳴き麻雀でライバルを翻弄し、苦境の時でも粘り強く勝機を見出してきたまー坊。
どんなに不利な状況でもひるまずに前へ出て、嫌味なベテラン雀士たちをバッタバッタとなぎ倒していく様はじつに痛快だ。

『根こそぎフランケン』の田村や、『STRONG』のゴロちゃんなど、押川雲太朗作品の人気者たちが続々登場するのもお楽しみのひとつ。客船麻雀に参加する顔ぶれは徐々に固まってきたが、まだ見ぬ強豪にあっと驚く人物が隠れている可能性も。今から胸がワクワクするが、まずは、まー坊が無事に1億円を作れるよう、しっかりと見守りたい。



<文・奈良崎コロスケ>68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
個人サイト「ドキュメント毎日くん」

単行本情報

  • 『麻雀小僧』第10巻 Amazonで購入
  • 『麻雀小僧』第1巻 Amazonで購入
  • 『レッツゴーなまけもの』第1巻 Amazonで購入

関連するオススメ記事!

アクセスランキング

3月の「このマンガがすごい!」WEBランキング