365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

6月14日は秀吉に柴田家が滅ぼされ、お市の方と勝家が自害した日。本日読むべきマンガは……。

『信長の忍び』 第1巻
重野なおき 白泉社 ￥571+税

天下取りまであと一歩だった信長が本能寺で討たれ、討った明智もまた秀吉に滅ぼされた時代。信長の次を担うのは俺だとばかりに対決したのが、織田家重臣、柴田勝家と羽柴秀吉だった。
この2人には因縁があることになっている。
それは、女好きといわれた秀吉が、ついに手に入れられなかった女性のひとりが、信長の妹にして柴田勝家の妻であるお市の方といわれている。まあ、これは物語のなかだけの話かもしれないんだけど……。

君主の敵をとって一躍天下取りレースのトップに躍り出た秀吉。
百姓あがりの秀吉に対抗すべく、秀吉包囲網を築こうとした勝家だったが、勢いはすでに秀吉のもの。織田家旧臣を二分した戦いは、1583年の今日、賤ヶ岳の合戦で敗北した勝家がお市の方とともに自害したことで終わりを迎えたのだった……。

そんな悲しい結末が起こった日にオススメするのが、彼らの争いが嘘かと思える、破竹の勢いの織田家軍団を描いたギャグマンガ『信長の忍び』だ。
本作は、うつけと呼ばれた信長が、天下布武を目指す大大名へとのしあがるさまを、裏から表から支える忍び・千鳥を中心に描く4コママンガ。

その魅力はなんといっても、天然ぼけのくせに化け物並にタフで強い千鳥ちゃんのかわいさにある！
……と、いいたいが、じつは信長含め、秀吉たちも妙にかわいいのがおもしろい。信長は大の甘党だし、秀吉は真性の丁稚根性＆底なしポジティブ男だし、頑固な勝家でさえ「ひげ」ネタを持っている。
とはいえ戦国時代。かわいさだけでなく、渋さ、かっこよさ、俠気、そして悲しさもまた絶妙にマッチしているマンガなのだ。

和なオープニング曲とキビキビ動く絵が話題になった、「信長の忍び」アニメ版も現在第3クールに突入！ アニメからハマった人も多いと思う本作、是非とも原作でも信長と愉快な仲間たちの魅力にとりつかれてもらいたい！

＜文・沼田理（東京03製作）＞
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。