365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。
7月15日はファミコンの日。本日読むべきマンガは……。
『ピコピコ少年TURBO』
押切蓮介 太田出版 ¥660+税
1983年の7月15日、任天堂が家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」を発売した。
それにより、“家庭でゲームをする”ことが一気に広まり、以降、各メーカーから次々とハードが登場した。
まさに本日は、今日のゲーム文化の礎を築くことになった記念日なのである。
そんなファミコンの楽しみ方のひとつが、“学校を休んでプレイすること”だ。
風邪や腹痛、あるいは仮病を使って学校を休み、昼間からプレイする。
このなんともいえない背徳感を味わったことがある元少年たちは多いのではないだろうか。
漫画家・押切蓮介さんが、自身のゲーム体験を描いた自伝的作品『ピコピコ少年TURBO』にも、それと似たエピソードが収録されている。
ある日、風邪を引いてしまい学校を休むことになった主人公の良太。
両親が仕事に出かけてしまい、自宅には自分ひとり。
すると、なんだか不思議と元気になってくる。そこで良太はファミコンで遊ぶことを画策する。
今ごろ、みんな算数を勉強しているのに、自分は家でファミコンをしている。この優越感……!
ダメだとわかっているからこそ、やめられない。
そんな良太に、最終的には天罰が下ることになるのだが、それも含めて、ファミコンは少年たちをいろんな意味で成長させてくれたのだ。
ちなみに、同シリーズは2作目である本作を含め、1作目『ピコピコ少年』、3作目『ピコピコ少年SUPER』をもって完結した……はずなのだが、なんと今年の3月よりシリーズ最新作である『ピコピコ少年EX』の連載がスタートされた。
押切さんの少年時代に共感しながら、ファミコン全盛期に思いを馳せてみてはいかがだろう。
<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。