365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
8月4日はビヤホールの日。本日読むべきマンガは……。
『銀座レッスン』 第1巻
山崎ヒロキ(作) 近藤タカシ(画) 集英社 ¥600+税
明治32年の今日、銀座の新橋際に日本初のビヤホール「恵比壽(ヱビス)ビヤホール」が開店した。
これを記念して平成11年にビヤホールチェーン「銀座ライオン」を経営する株式会社サッポロライオンが、8月4日を「ビヤホールの日」に制定した。
そして大正7年、現在の銀座七丁目にあたる京橋区竹川町に「銀座ビヤホール」がオープン。
この店舗は関東大震災で焼失したが、昭和9年に大日本麦酒(アサヒビールやサッポロビールの前身)の本社ビルとして建て替えられ、1階には「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」が営業を開始した。
この店舗は現存する日本最古のビヤホールであり、平成29年現在も営業している。
てなわけで、今日のマンガは「ふんわりジャンプ」にて連載中の『銀座レッスン』だ。
グルメマンガは数あれど、なんと本作は銀座特化型。大手デベロッパー「三友地所」に勤めるアラサー女子・麻生ミホが、間違えて入った銀座のバー「ベリタス」で酔いつぶれたことをきっかけに美人ママとの縁が始まり、銀座の名店の数々を巡ることに。
ミホは超一流の料理やサービス、これまで話したこともない人々との出会いを経て、少しずつビジネスマンとして、大人の女性として、成長を遂げていく。
第6話では前述した「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」が登場。
「ベリタス」で会社の愚痴を吐きまくるミホに、「ライオン」へ行くようママから指令が出る。
ビヤホールなんてやかましいオッサンの巣窟とバカにしていたミホだったが、外観からは想像できない高い天井と吹きガラスの照明、床や柱も建設当時のままという昭和モダンな店内にすっかり魅了されてしまう。
そして不思議な高揚感に酔い始めると、突如まわりの客が70年代ファッションに変わってしまい……!?
タイムスリップ展開の顛末は実際にコミックスを読んでいただくとして、ミホが頼んだ銀座ローストビーフのおいしそうなことといったらヨダレものである。
歴史ある建物でリッチな気分に浸れるとはいえ、「ライオン」ならばリーズナブル。
この銀座ローストビーフも税込で1,480円だし(平成29年現在)、本日はビヤホールの日ということで生ビールも全品半額だ(全国のサッポロライオンチェーンにて開催)。
新宿や池袋にもライオンはあるけれど、せっかくだから銀座に繰り出し、ライオンビルに想いを馳せながらビールでノドを潤す贅沢な時間をすごしてみてはいかがだろうか?
あぁ、こんな原稿を書いていたらノドがカラカラになった。それではお先に失礼して、黒ラベルをプシュっとな。
<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。自宅から徒歩1分の場所にあったライオン中野店は残念ながら閉店。寂しいッス。