日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『骨が腐るまで』
『骨が腐るまで』 第4巻
内海八重 講談社 ¥429+税
(2017年7月7日発売)
≪『骨が腐るまで』は、「マンガボックス」にて大好評連載中! マンガは、こちらから!!≫
5年前の夏、主人公の少年・中村信太郎に暴力をふるい続ける父親をともに殺して埋めたという秘密を抱える5人の少年少女たち。その重大性ゆえに生まれた奇妙な連帯感が、皮肉にも「友情」や「絆」と呼ばれる関係性を5人にもたらしていたのだが、16歳の夏に異変が発生。
埋めた死体の消失、その犯人と思わしき人物からの脅迫──それによって彼らは新たな犯罪に加担することとなり、次第に人間関係や人格、そして正常な判断力さえも崩壊させていく……。
第2巻において、その5人のなかでもっとも頭脳明晰タイプであった神崎明を失う悲劇を迎え、加速度的に闇を深めていった今回の事件だったが、発端となった死体消失の謎に明自身が関わっていたのでは……? と真相に迫ったのが前巻のクライマックス。
だがコトは解決に向かうどころか、情報を得るために起こした行動がきっかけでさらなるトラブルに巻きこまれてしまう。
そして最新刊でのもうひとつの注目ポイントは、残された4人の「男女」としての関係の変化だ。
ただでさえ「友情」と「異性としての関係」の間で揺れがちな思春期まっただなかの男女が、この常軌を逸した状況においてとる行動は──?
追い詰められたゆえに剥き出しとなる利己的な感情が刹那的に絡みあい、危うさとはかなさを増していく展開から目が離せない。
さて、様々な出来事を経て、ついに“骨の髄まで腐った人間”へと成り果て始めているようにも見える信太郎たち。彼らの着地点はどこなのだろうか?
このネガティブの連鎖をだれかが止めなければ、とてつもないバッドエンドが待ってるようにしか思えませんが……。
≪『骨が腐るまで』は、「マンガボックス」にて大好評連載中! マンガは、こちらから!!≫
\「このマンガがすごい!WEB」でもマンガ特別掲載中! 下のバナーをクリックしてチェック!/
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。