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8月19日は「俳句記念日」 『あかぼし俳句帖』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/08/19


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

8月19日は俳句記念日。本日読むべきマンガは……。


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『あかぼし俳句帖』 第1巻
有間しのぶ(作) 奥山直(画) 小学館 ¥552+税


8月19日は、“819”が“は(8)・い(1)・く(9)”と読めることから、そのものスバリ、“俳句記念日”。
これは京都教育大学名誉教授で俳人でもある坪内稔典が提唱して、設立されたもの。
毎年、子どもたちに俳句に親しんでもらうべくイベントも行われているが、たしかに俳句はなんだか敷居が高くて、難しく感じてしまう?
そんな人にこそぜひおススメなのが、6月に最終巻が刊行となった『あかぼし俳句帖』(有間しのぶ・奥山直)だ。

主人公は、かつては自動車メーカー宣伝部のコピーライターとして活躍しながら、定年まで5年をむかえた現在は閑職に追いやられている55歳の明星啓吾。
そんな彼が俳句でも趣味にしようかと考えていたなか、いきつけの料理屋で水村翠という女性と出会うことになる。 翠は気鋭の俳人で、くわえて美人。
何より翠に会いたいがために、明星は彼女に無理やり頼みこんで俳句の指導を仰ぐことになる。

俳句のハウツーマンガともなっている本作。
季語、言葉選びに始まって、俳句読みたちの集まりである結社についてなど、なるほどの雑学が分かりやすく楽しめる。ただ、一番よくわかるのは、俳句というものの奥深さ。読み手の人生、思い、発想があって、人の心に染み入る俳句は生まれる。
当初は下世話でガサツだった明星も俳句にのめりこむことで人としての“侘び寂び”ものぞかせていく。

ハイテンションな俳句女子・よつゆ、明星を見守る小料理屋の女将・お里、ライバル会社の要職で俳句を趣味としている要、異彩を放つ若手結社メンバーの遊佐など、登場人物それぞれのドラマにくわえて、それぞれの句が味わえるのも魅力。
「青野原今日生まれたのかも知れぬ」は、夏の田舎町で草原に立った明星が、素直に立ちあがってきた感覚を俳句にしたもの。こちらも本作オリジナルの句で、読んでいるのは原作者である有馬しのぶ。 本当に俳句は奥深い。
俳句の日に本作に触れて、五・七・五の十七音の世界に浸ってみては?



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。

単行本情報

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