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『現代コミクス版 ウルトラマン 上』 金城哲夫ほか(作) 井上英沖(画) 【日刊マンガガイド】

2017/08/28


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『現代コミクス版 ウルトラマン』


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『現代コミクス版 ウルトラマン 上』
金城哲夫ほか(作) 井上英沖(画) 復刊ドットコム ¥3,500+税
(2017年7月22日発売)


『現代コミクス版 ウルトラマン』は、『ウルトラマン』放送当時、毎号2本のマンガと記事を掲載していた月刊雑誌「現代コミクス ウルトラマン」(現代藝術社)から、主要執筆者の井上英沖のマンガ作品を集めた単行本。
『ウルトラマン』放送当時のコミカライズといえば、「ぼくら」の一峰大二版、「週刊少年マガジン」の楳図かずお版が有名で、両者とも何度もかたちを変えて単行本化されてきた。
「現代コミクス」の井上英沖版はリアルタイムで描かれたコミカライズの1本でありながら、昭和41年(1966年)の発売時以来、50年の歳月を経て初めてまとめられた。

井上英沖は『遊星少年パピイ』で知られる人気漫画家。
『パピイ』のようにマンガチックで親しみやすいキャラクターが怪獣に立ち向かう物語が、スマートな画風で描かれる。
劇画的な迫力の一峰版、怪奇性をクローズアップした楳図版に対して、伸びやかなラインで描かれた明朗なマンガっぽさが井上版『ウルトラマン』の魅力だ。
アクション描写や怪獣の迫力などをそつなく押さえながらも、シナリオに忠実に、かつ丹念に物語を追っているのも魅力のひとつ。

また、藤尾毅、梶田達二、柳柊二といった当代きっての名だたるイラストレーターによるリアルなイラストがマンガの間に挟まれる構成も独特で、抜群のインパクトを残す。
同時代の『怪物くん』(藤子不二雄A)で、デフォルメされた怪物キャラたちが突然劇画調で描かれるといったギャグが見られるのは、ひょっとして「現代コミクス」の影響もあるのか?とか考えながら読むと一層感慨深い。
上下巻揃えて、放送当時の雰囲気にひたろう!



<文・秋山哲茂>
フリーの編集・ライター。怪獣とマンガとSF好き。主な著書に『ウルトラ博物館』『ドラえもん深読みガイド』(小学館)、『藤子・F・不二雄キャラクターズ Fグッズ大行進!』(徳間書店)など。学年誌の傑作ウルトラ記事を集めた新刊『学年誌 ウルトラ伝説』が発売中!4コマ雑誌を読みながら風呂につかるのが喜びのチャンピオン紳士(見習い)。

単行本情報

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