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『東京タラレバ娘』第1巻 東村アキコ 【日刊マンガガイド】

2014/10/05


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『東京タラレバ娘』第1巻
東村アキコ 講談社 \429+税
(2014年9月12日発売)


今もっともノリにのってる漫画家、東村アキコのパワフル新連載。
舞台はオリンピック開催を6年後に控えた東京。フリーの脚本家である倫子は、たまに結婚や33歳という年齢が頭をよぎるものの、気のあう女友達と美味しいお酒のおかげで、楽しく充実した日々を過ごしていた――つもりだったのに。

ある日、フラれた腹いせに、いつもの酒場でタラだのレバーだのをアテに酒をかっくらっては「キレイになっ“たら”もっといい男が現れる!」「好きになれ“れば”ケッコンできる」といった根拠のないトークで盛り上がっていた倫子たちに、若いイケメンが突きつけた「女子でもねぇのに女子会だとか、現れてもいねぇのにいい男と結婚だとか……」「このタラレバ女!」という痛~い現実。

連載開始時から筆者の周囲でも「他人事とは思えない!」ってな悲鳴が飛び交っていた本作だが、この「タラレバ」をはじめ、アラサー/アラフォー女子の急所をこれでもかと突いてくる、必殺ギャグ&フレーズが満載!
つまんない男と結婚した同級生をあわれんで、合コンばっかりやってる若い女の子たちをバカにして、いつでも勝負に出れるとベンチから高みの見物を決め込んでいたつもりが……という描写のページなんぞは、ギャグのキレ味も抜群でしばらく立ち上がれなくなったが、その痛さがまた気持ちよくって、読んでいるとミョーに元気が沸いてくるのだ。

タラレバ女3人の赤裸々でバイタリティあふれるガールズトークは、『セックス・アンド・ザ・シティ』や『最後から二番目の恋』などのドラマよろしく、そこだけ延々聞いていたくなるおもしろさ(「第4出勤!!」て!)。
それだけに、第1巻ラストのまさかの急展開には、思わず口あんぐり!

その疾走感をライブに共有すべく、今すぐ第1巻を読んで、そのまま連載誌で追っかけるべし!!



<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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