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『海月姫』第14巻 東村アキコ 【日刊マンガガイド】

2014/09/25


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『海月姫』第14巻
東村アキコ 講談社 \429+税
(2014年9月12日発売)


フジテレビ「ノイタミナ」枠でのアニメ化だけに留まらず、能年玲奈さん主演で実写映画化まで実現した東村アキコの『海月姫』に14巻が登場!

洋館風のアパート「天水館」は、一筋縄ではいかない超オタク女子どもの巣窟だ。リア充とは対極、異性やおしゃれ人間との交遊などありえない! 分厚いメガネに三つ編みの「倉下月海」も住人のひとりで、超がつくクラゲオタクの18歳。そして「メガネを取るとじつは……」の女の子だ。

そんな「あま~ず」(尼~ず)を自称する月海たちの前に現れたのが超イケメンでセレブ、そして女装好きの鯉淵蔵之介(当然オトコ)。きらびやかな世界に飽きていた倉之助は月海に興味津々、女装で男子禁制の「天水館」に入りこむ。やがて「天水館」に地上げの危機が訪れ……彼女(!?)たちの運命が変わっていく。

14巻では、これまでのほのぼの箱庭(天水館)世界から、一挙に物語が展開!
東京で月海の才能?を見そめた一流ファッションブランドの創始者・カイは、天水館地上げ阻止の資金と引き替えに、月海を強引にシンガポールへ連れ去る。

ファッションに対して深い愛憎をあわせ持つカイ。そんなカイの突然のアタック?にフリーズする月海。そして、月海への気持ちに気づいた蔵之介は2人を追いかける!

テンポよいボケツッコミ満載のギャグマンガだが、引きこもり主人公が現状から羽ばたいて新世界へチャレンジする「成長物語」こそ見逃せない。「よし、自分も!」なんてつい思えちゃう『海月姫』は、爆笑のテンションにアゲアゲの気分をもらえるステキな作品だ!



<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。

単行本情報

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