「男女入れ替わり」というエンタテイメントの王道設定を、6年間という異例の「長期戦」で描いた『思春期ビターチェンジ』。異性の世界をのぞき見るドキドキ感に加え、他者との関わりへの戸惑い、成長することの切なさを繊細に描き、ネットを中心にジワジワと話題を集め、「このマンガがすごい! 2015」のオンナ編17位にランクイン。
5月15日に発売される最新第4巻では新展開もあり、まだまだ目が離せない本作について、これがプロデビュー作となる大注目の新星・将良先生にお話を伺いました。
個人WEBマンガ『ちぇんじ』から、デビュー作『思春期ビターチェンジ』へ
――『思春期ビターチェンジ』は「COMICポラリス」(WEBコミック)[注1]2012年10月から連載開始された作品ですが、もともとは将良先生が個人サイトでアップされていた『ちぇんじ』という作品がベースになってるんですよね。
将良 そうなんです。もともと2011年くらいに、なにか創作をしようと思い立ってサイトを作って、そこで初めて公開した作品が『ちぇんじ』で。最初はサイトに載せて、ある程度まとまったら同人誌にしてコミティア[注2]で売ろうかなと思ってたくらいです。
当時は仕事もしていたので、好きに描いて続けられればいいやって感じだったんですが、ありがたいことに、描き始めて半年か1年ぐらいで「COMICポラリス」の編集さんから、「これを商業で発表しましょう」と連絡を頂いて。
――じゃあ、それまでは特に漫画家を目指されていたわけでもなく?
将良 中学校の頃から遊びで描きはじめましたが、私の場合、漫画家を目指してたら、たぶんマンガを描いてなかったと思うんです。
性格的に、投稿とか持ち込みをして撃沈したら完全に諦めてたと思うし、趣味として割り切ってたからのびのび描けたし、こうなれたのかなって。
――なるほど、ひと昔前だと漫画家になるって、出版社に持ち込むか投稿して賞をとって……みたいな道しかなかった気もしますが、最近はネット発の作家さんも増えましたし、WEBコミック投稿サイトも盛りあがってますし、漫画家になる道もさまざまですね。
- 注1 COMICポラリス 2012年10月25日にスタートしたアプリックスIPホールディングス株式会社が運営するWEBコミックサイト。更新は毎週木曜日。
- 注2 コミティア 東京で年4回開催される同人誌即売会。頒布される同人誌すべてがオリジナル作品であることが大きな特徴。総来場者は約1万5000~2万5000人。