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9月17日は「イタリア料理の日」 『リストランテ・パラディーゾ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/09/17


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

9月17日はイタリア料理の日。本日読むべきマンガは……。

RistoranteParadiso_s

『リストランテ・パラディーゾ』
オノ・ナツメ 太田出版 ¥650+税


9月17日は、日本イタリア料理協会が制定した記念日である「イタリア料理の日」。
その由来は、イタリア語で「料理」を意味する「cucina(クチーナ)」と「917」の語呂合わせによるもので、2010年に認定された。

さて、パスタ料理に代表されるイタリアンは、日本の食生活に深く根づいているのは、いわずもがな。それゆえに関連するマンガも、イタリア料理を扱った金字塔的な作品『バンビ~ノ!』から、客の体調をスタンド入りの料理で整えてしまうイタリア人シェフ・トニオさんが登場する『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』まで、その数はまさに枚挙にいとまがない。
そんななかで、独自のポジションを築いた作品として忘れられないのが、イタリア料理店を舞台とした群像劇『リストランテ・パラディーゾ』だ。

もっともこの作品、スポットが当てられるのはイタリア料理そのものではない。
従業員の全員が老眼鏡着用の老紳士たちというローマのリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」。女性客の多くは、むしろその彼らこそがお目当て。そして、子持ちであることを隠してこの店のオーナーと再婚した母を困らせてやろうと訪れた主人公・ニコレッタが、カメリエーレ(給仕長)のクラウディオに年の差を越えた魅力を感じていき……という、恋物語のほうがメインディッシュである。

そんなわけで作品自体も、今でこそジャンルとして認知された感もある“枯れ専(=老紳士萌え)”の先駆けとして評価が高いのも納得。
しかし、イタリア料理がメインではないとはいえ、このシチュエーションはローマにあるイタリア料理の店が舞台だからこそ“さまになる”ところは大きいだろう。
そして、こんな余裕のある作品が生まれたのも、イタリア料理が広く認知されているからこそ……といえるのかもしれない。

ちなみに本作は単行本1冊で完結する物語だが、「まだまだこれだけじゃ足りない!」という向きには、続編である『GENTE』もどうぞ。
こちらは全3巻で、老紳士萌え成分もイタリア料理の描写も“おなかいっぱい”まで楽しめます。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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