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『あしたのジョーに憧れて』(川 三番地)ロングレビュー! 日本文化を支えたアナログ神技術を徹底解析! 元アシが語る“レジェンド・ちばてつや”

2015/07/29


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『あしたのジョーに憧れて』第1巻
川 三番地 講談社 \560+税
(2015年6月17日発売)


作者の川三番地は『4P田中くん』『風光る』『Dreams』と、原作・七三太朗(ちばてつや兄弟の四男)とのコンビによる野球マンガで広く知られている。
ページの左右幅を目一杯に使った横長コマを使い、むかしのシネラマ映画のような画角で野球場のサイズ感をめいっぱい表現するのにたけており、甲子園の臨場感を描かせたら天下一品の作家である。

そんな川三番地の修業時代を描いた本作。
『あしたのジョー』『のたり松太郎』『おれは鉄平』など数多くの代表作をもつ巨匠・ちばてつやのアシスタントとして学んだことが、作中で惜しげもなく披露されていく。

若き日の川三番地=田中少年は迷子になりかけた時に出会った女性・御城(おしろ)に連れられてちば邸へ。当時の室内描写も細かい!

若き日の川三番地=田中少年は迷子になりかけた時に出会った女性・御城(おしろ)に連れられてちば邸へ。当時の室内描写も細かい!

たとえば縦のパースがないバードビューの風景図。「写真撮ってそのまま描いた絵じゃない!」「理屈じゃなく感性に訴える絵」という“ちばプロの絵”が冒頭で解説されると、その構図の絵が次回以降も読者にわかりやすい形で入ってくる。
製図的なコレクトネス(正しさ)よりも、読者への印象度を重視する“マンガならでは”の表現技法の豊かさに、あらためて気づかされるはずだ。
こうした実例がそこらじゅうに散りばめられているから、素人のわれわれ読者にも、プロの技術のすごさがスンナリと理解できるようになっている。

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単行本情報

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