梅雨が明けたら、待ちに待った夏休み!
みなさんお待ちかねの8月の「このマンガがすごい!」ランキングオンナ編を発表いたします。
今月のオンナ編ランキングは、男子高校生がスカートをはいたり(!)、愛憎渦巻く大奥に身を置いたり、悪の組織と闘ったりと、様々な“女子力”を発揮している作品がいっぱい! 読めばオンナとしての魅力がアップする……かもしれない(!?)作品群。
“自分らしい生き方”を模索しながら、前へ進もうとしている女性ってステキ……ですよねっ。
また、ショートエピソードを複数収録した恋愛短編集も多いので、小粒ながらスパイスの効いた作品をアラカルトで楽しむのもアリですよ!
(2015年6月1日~6月30日発売作品を集計)
第1位(104ポイント)
『ボーイ★スカート』 鳥野しの
『ボーイ★スカート』
鳥野しの 祥伝社
2年D組の優等生・桃井太一はある日突然、スカートをはいて登校してきた。
どよめく同級生や先生たちを尻目に、クラスメイトの白井さんだけは彼のスカート姿になんだかワクワクとした感覚を覚える……。
普通の男子がスカートをはく、という一見突拍子もない“事件”から始まる青春ストーリー。
何かと世知辛い世の中への“もっと自由でもいいんだよ”という応援メッセージとも受け取れます。
オススメボイス!
■女装癖があるわけでも性同一性障害でもないフツーのオトコノコがスカートをはく! ただカッコイイという理由だけで。すばらしい。この主人公のように自分が思うように生きる人が増えたほうが風とおしのいい世の中になると思う(恭文堂コミッククラフト店 早川博志/書店員)
■スカートをはく男子高校生・桃井太一と、彼をとりまくさまざまな人たちの反応を通して、固定観念をやわらかく問い直す1冊。のびやかな描線も魅力(川原和子/マンガエッセイスト)
■男のコだってスカートはいてもイイじゃない!! ちょっと目からウロコの1冊です(吉村ルミ/芳林堂書店 高田馬場店)
■鳥野先生を知ったのは『オハナホロホロ』ですが、そのあとの『手紙物語』、本作『ボーイ★スカート』と、毎回新しい発見があって、ページをめくるのが楽しいです。男の子がスカートをはくこと……いわれてみればなんの問題もないと思うのに、これをテーマに描こうと思った鳥野先生のセンス、そしてマンガとしておもしろく描く技量に頭が下がります(滝川レイ/フリーカメラマン)
■いわゆる“男の娘”ものかと思ってページを開いたら全然違ってました! 入り口は間違えましたが結果的によい作品にめぐり合うことができてハッピー♪(富士見大/編集・ライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第2位(94ポイント)
『大奥』 よしながふみ
『大奥』
よしながふみ 白泉社
男女逆転大奥誕生のきっかけとなった、10代~20代の男性のみが感染するという原因不明の奇病「赤面疱瘡」。
不治の病とされたこの伝染病の根絶を目ざして、田沼意次をはじめとする平賀源内や医師・青沼の悲願がついに実を結んだ。
家光の治世から始まった壮大な大河ドラマ的展開にひとまずの決着がつくと同時に、さらなる展開の予感が。
安定のおもしろさで長期連載中にもかかわらずランクインしました。
オススメボイス!
■第1部完といっても違和感のない展開。多くの登場人物から脈々と受け継がれてきた「意志」がついに実を結ぶというアツい展開には思わず目頭が熱くなり、ここまで読んできてよかった……と強く思える1冊でした。やっぱよしながふみスゲーわ(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
■もはや貫禄すら漂うSF時代劇。息詰まる展開に、翻弄される快感を味わえる最新刊。早くも続きが待ちどおしい!(川原和子/マンガエッセイスト)
■本作最大の難題「赤面疱瘡問題」がやっと終着。それだけに、その間に犠牲になった人たちのことを想うと胸が痛みます。しかしそうこういってられず、ラストでまた新たな展開が……。SFなのに、読者に史実であるかのように思わせるリアリティのある描写に、毎巻ドキドキしています(穂高茉莉/楽器店店員)
第3位(82ポイント)
『アンの世界地図 ~It's a small world~』 吟鳥子
『アンの世界地図 ~It's a small world~』
吟鳥子 秋田書店
竹宮杏、通称・アンは、金髪、カラコンにクラシックロリィタ、と外国人と間違えられるようなスタイルで暮らしている。
徳島の田舎で着物姿の少女アキと暮らすようになったアン。2人は、未知の経験や出会いのなかで少しずつ成長していく。
第一次世界大戦下、徳島の板東俘虜収容所に連れて来られた敗戦国ドイツの兵士・マイズナーを中心に展開する第3巻。
丁寧に作りこまれた世界観で、一見孤独な少女たちが“救われる”様子を描く、いま最注目の少女マンガです。
オススメボイス!
■丁寧に作られた世界観に引き込まれていく。今少女マンガでもっとも注目している作品です(ふな/ブログ「はてなで語る」管理人)
■家族ってなんだろう、絆ってなんだろう。それを模索し、まわりに救われてきた少女がひとつの孤独な魂を救う。ある意味でひとつの大きな区切りとなる第3巻でした(ササナミ/ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)
■かわいらしい絵柄で描かれる、苦しい物語。2人の女の子の苦しみと成長を、親のような目線で見守っています。それにしても、3巻の表紙だけみると、女の子がイケメンに囲まれているハーレムマンガのように見えますね(笑)(黒谷貴清/フリー編集者)
「日刊マンガガイド」での既刊(第1巻)ご紹介は、コチラ!!