第4位(70ポイント)
『感覚・ソーダファウンテン』 雁 須磨子
『感覚・ソーダファウンテン』
雁 須磨子 講談社
恋愛における「感覚」をテーマに、6人の女性のエピソードが収録されたオムニバスシリーズ。
触覚にこだわりを持つと同時にトラウマを抱える薬剤師といった、 視覚、聴覚、嗅覚、そして味覚……人間の五感が織りなすドラマが、激しい展開ではないものの、あたたかい視点で描かれています。
オススメボイス!
■雁須磨子先生らしい味のある、五感にまつわるオムニバス集(いづき/ブログ「おとよめ」管理人)
■あいかわらずすばらしい短編集。声はかっこいいのに見かけは「ふわふわ犬耳おじさん」の本郷医師が、ナイスキャラすぎて何度読んでも笑えます(小田真琴/女子マンガ研究家)
■どんでん返しも大爆発もないけれども、雁須磨子さんの魅力が詰まった作品(恭文堂コミッククラフト店 早川博志/書店員)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第5位(64ポイント)
『ぱらいそ』 今日マチ子
『ぱらいそ』
今日マチ子 秋田書店
長崎の教会にあるアトリエ「ぱらいそ」を舞台に、戦時下を生きる少女たちの姿が描かれる。
食料不足や空襲といった戦争の脅威にさらされながらも彼女たちは、絵画や恋愛を夢見る日常を生きていく。
“少女と戦争”という、ともすれば重いテーマの物語を、作者特有の叙情的なタッチで描ききったことが、作品のメッセージ性を高めています。
オススメボイス!
■この人はいったいどこまでいこうとしているのか!? 現実とファンタジーの皮膜をスリリングに行き交いながら、善と悪、白と黒、生と死……といった概念を超越してゆく壮大な物語に感嘆。一度読んだだけでは、恐らく作品に込められた意図の半分も読み取れてない、からこそ、何度も繰り返し読んで向き合い続けたい1冊(井口啓子/文化系ライター)
■戦争が招いた惨たらしい光景のなかで、少女が犯した個人的な罪は何を意味し、何をもたらすのか。人類の罪と個人の罪について考えながら、痛切に平和への祈りを捧げたくなる(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第6位(62ポイント)
『帰ってきたサチコさん』 朔ユキ蔵
『帰ってきたサチコさん』
朔ユキ蔵 小学館
現代から突然1932年にタイムスリップしたサチコは、10年の時を経て現代に戻ることになる。しかし、戻った世界は10カ月が経過していて……という表題作をはじめ、青年誌で活躍中の作者が女性向けマンガに挑戦した短編集。
“出会いと別れ”をテーマに5編の作品が収録されて、どれも短いながら様々な示唆に富んだストーリーは、男女問わず支持を集めています。
オススメボイス!
■青年誌を中心に活躍している朔ユキ蔵の短編集。少女マンガ誌に発表したことも驚きでしたけど、内容がまた衝撃的でした。表題作のタイムスリップものは、かなりドラマチックで、映画でも見ているようでした(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■この短編集はなんといっても表題作。出会い、別れ、そして……。この年になると別れがあることを実感します。切なくなる作品集ですね(塚本浩司(コミック・同人誌専門書店 COMIC ZIN)/商業誌部門責任者)
■別れと再開がテーマの短編集。爽やかな読後感のある傑作(芝原克也/日本出版販売 コミックチーム チーフ)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!