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『子供はわかってあげない』(田島列島)ロングレビュー! “ひと夏の経験”が、少年少女をほんのり大人に近づける

2014/11/12


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『子供はわかってあげない』上巻
田島列島 講談社 \630+税
(2014年9月22日発売)


もちろんタイトルはトリュフォーの『大人は判ってくれない』からの本歌取りである。
しかし本作は「抵抗」の物語ではなく「赦し」の物語だ。『子供はわかってあげない』の真逆は、『大人は判ってくれない』ではなく『大人はわかってあげる』となるのである。

サクタさんは水泳部の部活中、校舎の屋上に人影を見つける。だれがいるのかどうしても気になって、帰る前に確認に向かったところ……。

サクタさんは水泳部の部活中、校舎の屋上に人影を見つける。だれがいるのかどうしても気になって、帰る前に確認に向かったところ……。

主人公は高校2年生の2人、水泳部のサクタさんと書道部のもじくん。アニメオタクだった2人はカルト作『魔法左官少女バッファローKOTEKO』を通じて意気投合し、悩みを相談する仲となる。サクタさんの今の父親は継父であること、実の父親がどこかにいること、そしてその実の父親から毎年意味不明なおふだが送られてくること。やがて探偵であるもじくんの兄によってサクタさんの実父は発見される。迷いながらもサクタさんは、夏休みを使って父に会いに行くことを決意するのだった。

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単行本情報

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