『ばらかもん』第10巻
ヨシノサツキ スクウェア・エニックス \571+税
(2014年9月22日発売)
アニメも大人気のうちに幕を閉じた『ばらかもん』の第10巻発売! アニメからハマッた人には気になるだろう「その後」が楽しめる。
半田清舟は新進気鋭の書道家だが、とある式典で初老の館長に手をあげてしまい「島流し」に。
ついた先はなにもない「ド」田舎。そこで出会った小学生・琴石なるたちから、「先生」と親しまれる生活が始まった。そこで清舟はこれまで気づかなかった感情や自分を発見するのだが……。
館長への謝罪や、目標だった書展で、その成長をみせた清舟。
今巻では、冬を迎える準備を始める清舟のもとに、親友「川藤」から一本の連絡が舞い込む。超えられない壁、父・清明と、島へ戻ることに反対していた母・えみが、島へ来るというのだ。おまけに、清明のマネージャー的存在の桐恵さん(女装した男性)までついてくる。
突然の来訪者である「都会の人」に目がない島の住人、とりわけ、なるたち子供連中が見すごすはずもなく、タダでさえ騒々しい日常がより賑やかに! そこへ、なるの学校の教頭が習字の特別講師を頼みにやってきた。
始まった2人の習字教室。「先生」清舟に対し、清明は「大先生」として教え方でも格の違いを見せつける。落ち込む清舟に「どっちがうまいの?」という生徒の素朴な問いが放たれ、直接バトルが切って落とされる!?
さらに、密かなミッションを持つ母えみの動きなど、見逃せない動きが満載だ。
子供は子供らしく、大人はちょっとお茶目に。それだけで、都会人の「先生」の日々はなぜか猛烈におかしい。
そんな笑顔が絶えない島ライフストーリーは、読後の幸せ感がとても高い!
<文・沼田理(東京03製作)>
マンガにアニメ、ゲームやミリタリー系などサブカルネタを中心に、趣味と実益を兼ねた業務を行う編集ライター。