『史上最強の弟子 ケンイチ』第59巻
松江名俊 小学館 \429+税
(2014年10月17日発売)
9月に発売された「週刊少年サンデー」42号にて、12年の連載に幕を閉じた『史上最強の弟子 ケンイチ』。
少年サンデーの看板作品だけに、名残惜しさとともに、終焉を迎えた安堵感のようなものもあり、今は松江名俊先生にお疲れさまでしたと言いたい気持ちでいっぱいだ。
武道の才能がまったくないいじめられっ子である主人公の白浜兼一。彼がひょんなことから武術の達人が集まる道場、梁山泊に入門し、ひとかどの武術家へと駆けのぼる成長譚だ。
兼一は、梁山泊の長老にして超人である風林寺隼人の孫、武術家としての実力も高い風林寺美羽を守るため、そしてその実力差を埋めるべく、日夜特訓に励む。
最新59巻は、活人拳の梁山泊に敵対する殺人拳の闇との全面対決。達人同士の戦いのさなか、弟子同士も相まみえることに……。数的には圧倒的に不利であるうえ、敵本拠地への侵入と、戦いは困難を極める。
見どころはなんといっても、YOMI(闇の弟子による機関)の鍛冶摩里巳と兼一の対決。追い詰められたり、仲間が窮地に陥らないと本気を出せなかった兼一が、初めて自ら戦いたいと望んだ相手。それにより、本当の武術家へと変貌する。
本巻の最終話が「サンデー」の22・23合併号に掲載されたものであることから、最終巻は61巻となる見込み。そして第60巻は、11月18日発売! この際、いっぺんに出してほしいところだ。
<文・岡安学>
デジタルモノなどのガジェット系を中心に雑誌やWebで活動するフリーライター。元ゲーム誌編集者で、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアも守備範囲。ソフトとハードのどちらもこなす。現在、生活総合情報サイト「オールアバウト」にてデジカメのガイドも務める。