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『テンペスト』第6巻 阿仁谷ユイジ 【日刊マンガガイド】

2014/11/27


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『テンペスト』第6巻
阿仁谷ユイジ 講談社 \581+税
(2014年11月7日発売)


男性滅亡後、女性同士で恋愛をして卵子同士で妊娠をするようになった「女だけの未来の世界」を描いた、SFマンガだ。
その世界にたったひとり、「男」として生まれたのが、主人公の姫(ヒメ)。「だったらハーレム状態!?」と思いきや、女性こそが唯一の“人間のスタンダード”となった社会では、姫はマイノリティーであり、嫌悪の対象となってしまうのだった。
恋人だった皇(コウ)に打ち明けるも、「化け物!」と拒絶されて以来、男であることを必死に隠して、「男の娘」として生きている。

なんて書くと、とっつきにくい印象を持たれるかもしれないけれど、心配ご無用。
もー、このマンガ、誰もかれもが色っぽい! Mっ気あふれる姫のキュートなこと! また、姫に片思いするの霧江(キリエ)の、ツンデレっぷりったら! 女性たちの恋愛が、ところどころBL的表現を使って描写されており、それもどこか新しく、独特の魅力になっている。

最新の6巻では、ついに「男性滅亡の理由がわかる」「姫が男だったということが周囲にばれる」という大きな、そして今後が楽しみな展開に。
SFマンガとしてもジェンダーマンガとしても、抜群&安定のクオリティ。
「この難しい設定で大丈夫?」なんて様子見しちゃってた方も、ノーチェックだった方も、いまが読み始めどきですよ~。



<文・かとうちあき>
人生をより低迷させる旅コミ誌『野宿野郎』の編集長(仮)。野宿が好きです。だらだらしながらマンガを読むのも好きです。

単行本情報

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