『シャーマンキング0 -zero-』第2巻
武井宏之(著)小太刀右京/三輪清宗(協) 集英社 \562+税
(2015年1月24日発売)
『シャーマンキング』シリーズ登場人物の「始まりの物語」が語られていく短編集第2巻。本巻では4人の「神クラスシャーマン」たちの過去が描かれる。
まずはハオ(麻倉葉王)。平安の頃からあいかわらず絶望していて、昔からお変わりありませんのねというか、keep rootsなんスね……というかな「麻葉童子Ⅱ」。
続いて『シャーマンキング FLOWERS』に登場する鴨川羊介(の小学生時代?)が描かれた「ヤハべえ」は、絶望のあまり飛び降りちゃおっかな、と思っていた羊介が、三角錐のユルキャラまがいで口の悪いロボット“ヤハべえ”に出会う『ドラえもん』風のノリ。こちらはもともと、『シャーマンキング』シリーズとは別個に、独立した短編として執筆されたという。
そして、アイアンメイデン・ジャンヌたちX-LAWSのほのぼの(?)クリスマスのショートエピソード「船上のメリークリスマス」。
とはいえ、今回一番の見所は、なんとびっくり著者の初連載作『仏ゾーン』のサッちゃんこと西岸サチと『シャーマンキング』のサティ・サイガンのミッシングリングエピソード&チーム明王のカドゥさんとの出会いがひも解かれる「カドゥ 驕るマハラジャ」!!
今まで『シャーマンキング』完全版単行本のおまけページなどで、それとなく触れられていたけれど、サティ=サッちゃんで、そのシャーマンとしての持ち霊が『仏ゾーン』の主人公・センジュくんであることがマンガ内でしっかりと明記されたのは、本作が初めて。また、『仏ゾーン』文庫版の描き下ろしイラストのみで姿を見せていた本編未登場の仏たちも、しっかりセリフ付きで登場!
サティをはじめ、どれもそのキャラの過去として納得&ビックリできる作品になっていて、「武井宏之クロニクル」ともいうべき連作集。
ほかのシャーマンの話ももっと読みたい!!
<文・小山まゆ子>
フリーランスの編集・ライター。絶賛発売中の『このマンガがすごい!2015』にも参加させていただきました。あと12月25日発売の『宝島AGES』の「80年代特集」にもチョロっと参加させていただいております。