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『ひよ恋』第14巻 雪丸もえ 【日刊マンガガイド】

2015/01/28


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『ひよ恋』第14巻
雪丸もえ 集英社 \400+税
(2015年1月15日発売)


142センチの西山ひよりと192センチの広瀬結心。足かけ6年にわたる「りぼん」名物・身長差50センチのほのぼのカップルたちが、ついに高校を卒業!
思いやりにあふれたピュアでまっすぐな2人の物語は、本巻にて堂々完結!!

身長の低さにコンプレックスがあったひよりん。彼女の高校ライフは、みんなより8カ月も後れてスタート。というのも、高校の入学式前日の交通事故で、初めての登校は12月になってから。
そんな不運に、内気で気が弱く人見知りの性格も加わって、当初ひよりんはなかなかクラスになじめずにいた……。

しかし! 今やあの頃の不安な表情やおどおどした様子は、面影もなく!!
そう、クラスの人気者・広瀬くんと隣の席になったことをきっかけに、彼の助力と自らの努力で、ひよりんはだんだんとクラスに溶け込むことができたのだ(広瀬くんに初恋をしたひよりんの恋愛奮闘記は、1~13巻でおたしかめを!)。

さて、高校生活最後の体育祭も終わり、いよいよ受験モードのひよりんと広瀬くん。同じ大学を目指して一緒にがんばる2人だったものの、広瀬くんが予備校に通いはじめ、なかなか会えなくなってしまったひよりんは、本当はちょっぴりさびしくて……。
久しぶりのデートはクリスマス! けれど、ひよりんは不安な気持ちを広瀬くんにぶつけてしまった自分がイヤで、「受験が終わるまで広瀬くんガマンします!!」と宣言。
すると、広瀬くんのために距離を置いたのに、学校で2人が別れたという噂が流れてしまい……。

と、つきあいはじめてからずっとラブラブの2人が、卒業目前にすれ違いを体験する最終巻。受験期に別れるカップルが多いのは極めてリアルな話だが、お互いのことが大好きで、ともに同じ夢へと向かうこの2人には、そんなジンクスすら通用しない!
本当に信頼し合っている2人の、卒業という旅立ち、そしてその後……。
感動の最終話は、じっくりと噛みしめながら読みたくなる秀作です。

最後に、この『ひよ恋』のすばらしさ……それは“嫌なヤツ”がひとりも出てこないこと!
ひよりんと広瀬くんはいつも相手を思いやり、まわりの友達は常に2人を温かく見守り、恋のライバルでさえ清々しく気持よく、最後にはわかり合うことができるという点。
本作には徹頭徹尾、ひよりんの“広瀬くんに、みんなに会えてよかった!ありがとう!!”という気持ちがあふれていて、心をほわっと温かくしてくれる読後感が心地よいのです。



<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。

単行本情報

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