『小光先生の次回作にご期待ください。』第1巻
水口尚樹 小学館 \552+税
(2015年1月30日発売)
『明日にはあがります。』(全5巻)ラストで、突然連載打ち切りの憂き目にあった漫画家・小光栗夫先生が、再び登場!?
「少年ゲルマン」で連載していた『ときめき 堕天使モモカ』が物語未完のままに終了。連載から解放された虚脱感、先が見えない不安のなかで次回作の構想もなかなかまとまらず。
そんな小光先生とは裏腹に、元アシスタントは初連載を勝ち取るし……ああ、漫画家ってホントにたいへん。
とはいえ凹んでばかりもいられない。
無茶苦茶な神頼みをしたり、経験豊かな先輩に助言を仰いだりしているうちに、担当さんから電話が。完全に切られたわけではなかったんだ……と胸をなで下ろす小光先生のもとに、さらには他誌の編集さんからもコンタクトが!!
コミュニケーション下手で世間からややズレてる小光先生の健気ながんばりっぷりは笑える一方、ときにしっかり漫画家のリアルを描き出しているのかも!?
1本のマンガが生まれて雑誌に掲載されるまでには、多大な苦労があるものだと改めて実感。マンガがより愛おしく、そして日々苦闘するすべての漫画家さんを応援したくなってくる。
がんばって、小光先生!!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」