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2月23日は妊婦さんの日 『ヒゲの妊婦(43)』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/02/23


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『ヒゲの妊婦(43)』
ひうらさとる 講談社 \667+税


2009年に公開されたマタニティコメディムービー『BABY BABY BABY! -ベイビィ ベイビィ ベイビィ-』のPRのために、東映株式会社が制定したのが「妊婦の日」だ。 ちなみに公開は5月23日でまったく関係ないのだが、新聞やWEBへのリリースタイミングや、なにより「2(にん)、2(ぷ)、3(さん)」という語呂合わせがあってこの日となったもよう。

妙齢の独身女性が集まると、とかく話題にのぼりがちなのが“子どもをどうするか?”ということ。
日本では、2012年に第1子出産時の母親の平均年齢が史上初めて30歳を超えたという

さて、本日おすすめするのは、大ヒットテレビドラマの原作である『ホタルノヒカリ』の作者・ひうらさとるが御年43歳にして妊娠、第1子を出産するまでを描いたエッセイマンガ、『ヒゲの妊婦(43)』だ。

結婚/出産とほど遠い20代、30代を送った作者は、『ホタル~』の雨宮蛍もかくやの干物女っぷり! もはや母性の対極と言える立派な“ヒゲ”女子だ。
そんな彼女は、漫画家と妊婦という2足のワラジをはきながら、バースプランからマタニティケアまで、何もかも初めての経験をしていく。
漫画家というクリエイティブな仕事と“母親になること”のジレンマに悩み、乗り越えていく姿には、ふだん結婚とは縁遠い生活を送っている者にも“結婚っていいな、子供……欲しいかも”と思わせる力があり、これこそが漫画家・ひうらさとるのマンガ力(りょく)なんだと気づかせてくれる。
すぐれた漫画家は、生活そのものすら極上のエンターテインメントに仕立てあげるタレントなのである。

ところで、本書には色違いでほぼ同じ装丁、タイトルに年齢が入るところまでそっくりの姉妹巻(?)、『女子高生チヨ(64)』がある。
こちらは、なんと本作にも“母親のセンパイ”として登場する著者のご母堂が主人公。お母様のチヨさんが御年64歳にして高校に入学、文字どおり第二の人生を謳歌する女子高生ライフを描いたエッセイマンガ。
抱腹絶倒のなかで、彼女がなぜJKになろうと思いたったのか、JK生活でどんな輝きを見出したのかを知り、ホロリとさせられる人も多いだろう。
こちらも“大人”にぜひ読んでほしいオススメの傑作だ。



<文・富士見大>
編集プロダクション・コンテンツボックスの座付きライター。『衝撃ゴウライガン!!兆全集』(廣済堂出版)、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、平成25年度「日本特撮に関する調査報告」ほかに参加する。

単行本情報

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